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最終更新:2013年5月31日(金) 10時9分

「ポツダム宣言有効か?」 中国記者食い下がる

 尖閣諸島をめぐる中国の李克強首相の発言に関して、中国メディアの記者がアメリカ国務省の報道官に食い下がる一幕がありました。

 「質問は、アメリカ政府はポツダム宣言の法的有効性を認めるかどうかということです」(フェニックステレビ記者)

 中国系メディア「フェニックステレビ」の記者がアメリカ国務省の報道官に対して行ったこの質問は、中国の李克強首相が26日、外遊先のドイツ・ポツダムで「日本が盗んだ領土は中国に返還されなければならない」と発言したことを受けたものです。

 ポツダムは、第二次世界大戦の連合国側が日本に対する無条件降伏などを求めたポツダム宣言を発した場所です。連合国側はこの宣言で、当時、日本が占領していた領土の返還も要求しました。李克強首相の26日の発言は、ポツダム宣言におけるこの部分と尖閣諸島の問題を念頭に置いたもので、これを受けて、記者はポツダム宣言の法的有効性についてアメリカ政府の見解を確認したのです。

 質問に対して、アメリカ国務省のサキ報道官は「尖閣諸島の主権については特定の立場は取らない」というアメリカ政府の従来の見解を述べました。すると・・・

 「私の質問は尖閣諸島についてではありません。アメリカの立場は理解しています。そうでなく、ポツダム宣言、そしてカイロ宣言は法的に有効と考えますか?」(フェニックステレビ記者)
 「経緯はわかっていますが、その質問が向かう方向もわかっているので、我々の認識を今一度申し上げたわけです」(アメリカ国務省 サキ報道官)
 「(ポツダム宣言の有効性について)なぜイエスかノーで答えられないのですか?アメリカが草案を作成し、署名したんですよ?」(フェニックステレビ記者)
 「この話で最も重要なことは尖閣諸島についての認識ですよね。ですから、我々の立場はずっと変わらないと言っているのです」(アメリカ国務省 サキ報道官)
「島の話は置いておくとしまして・・・」(フェニックステレビ記者)
 「これ以上申し上げられることはありません。あなたの粘り強さは評価します。賞賛に値します」(アメリカ国務省 サキ報道官)

 報道官はポツダム宣言の有効性についての見解を求めて食い下がる記者に対し、「あなたの粘り強さは評価します」といなして深入りを避けました。(31日08:53)

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