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大阪市議会 急転!“捨て身”で橋下市長の問責否決

傍聴席からの声に手を振り議場を一時退席する橋下徹市長
大阪市議会が休憩となり、傍聴席からの声に手を振り議場を一時退席する橋下徹市長
Photo By 共同 

 大阪市議会は30日夜の本会議で、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長に対する問責決議案を反対多数で否決した。当初は可決の見込みだったが、日本維新の会幹事長の松井一郎大阪府知事が、可決した場合は出直し市長選に踏み切る見通しを示すと情勢は一変。議会は混乱し、開会が午後9時にずれ込むなど大荒れとなった。

 問責決議案は従軍慰安婦や風俗業に関する発言で、市政を大きく混乱させたとして橋下氏に「猛省を促す」もの。自民党に加え、民主系、共産党の3会派が共同提出した。最終的に決議案は最大会派の大阪維新の会と、第2会派の公明党の反対多数により否決された。

 橋下氏は議会終了後、記者団に辞職して出直し市長選に臨む考えはないとした上で「議会との話で解決した」としたほか、従軍慰安婦に関する一連の発言に関し「誤解を招くような発言をしたのは僕だ。市民に申し訳ない」と陳謝した。

 問責決議に法的拘束力はなく、当初、19議席を持つ公明党も問責案に賛成の意向を示しており、この時点で賛成は53議席。第1会派の大阪維新の会の33議席を上回り可決する見通しだった。ところが本会議を前にしたこの日午前、松井氏の発言で状況は一変。松井氏は記者団に突然「不信任可決と同じ。問責は政治の世界では“辞めろ”ということ」と覚悟を決めたような表情で言い放ち、橋下氏の市長辞職と出直し市長選に踏み切るとの見通しを示した。

 多くの報道陣であふれ返った午後の市議会控室前。「調整中だ」「話せない」。問責決議案の文言をめぐり調整を繰り返す議員が出入りするたびに、数十人の報道陣が群がった。市長選と参院選の同日選を避けたい公明党は、断続的に対応を協議。「問責」という表現を緩和できないか持ちかけた。しかし自民党は最終的に譲らず、調整は失敗に終わった。

 その後、公明党は決議案の反対に回り、独自案を提出する方針を決定。「問責が“辞めろ”という趣旨にとられてしまった」。党幹部は疲れ切った表情で方針転換の理由を説明した。維新ツートップが連携してちらつかせた“起死回生”の一手、出直し市長選構想が功を奏した格好となった。「市長選カード」の威力は十分。さらなるピンチを乗り切る切り札として温存する構えだ。

 議会は大混乱となり、本会議は予定の午後2時を大幅に遅れて開かれたものの、数回の休憩を挟み問責案が採決されたのは午後9時を過ぎていた。「市長辞職、同日選」から一転、「辞職せず」の展開に、傍聴した市民からは「市民不在だ。ばかにするな」と憤りの声が上がった。

[ 2013年5月31日 06:00 ]

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