東京株全面安、下げ幅737円=円高嫌気、「売りが売り呼ぶ」
時事通信 5月30日(木)15時9分配信
30日の東京株式市場は円高進行や米国株安が嫌気され、売りが殺到する全面安の展開となった。日経平均株価の終値は前日比737円43銭安の1万3589円03銭と急落した。4月23日以来約1カ月ぶりの安値水準で、下げ幅は今年2番目。直近の高値(1万5627円26銭)を付けた22日から約1週間で2000円超下げた。
市場関係者の間では、28、29両日の動きを見て株価が落ち着いてきたとの見方も出ていたが、投資家の不安心理が再び台頭。「売りが売りを呼ぶ悪循環」(インターネット証券)となった。
30日は、東京外国為替市場の円相場が一時1ドル=100円台半ばに上昇し、前日に比べ1円以上円高となった。このため株式市場では、輸出企業の業績拡大期待が急速に後退。さらに、米国の量的金融緩和が早期に縮小されるとの観測から米国株が大幅安となり、世界同時株安の懸念も広がった。
電機などの輸出株に加え、銀行、不動産といった景気動向に敏感な銘柄を中心に売られ、東証1部上場銘柄の約96%が値下がりした。
東証1部全銘柄の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)は44.45ポイント安の1134.42。出来高は44億7963万株。売買代金は3兆3708億円。
一方、東京外為市場の円相場は午後5時現在100円83〜84銭と、前日に比べ86銭の円高・ドル安。海外投機筋が利益確定の目的でドルを売って円を買う動きを強めた。市場関係者は「今後、100円を突破する円高も想定される」(為替仲介業者)と語っている。対ユーロでは1ユーロ=130円71〜73銭と09銭の円高・ユーロ安。
最終更新:5月30日(木)18時3分