'13/5/30
手掘りのトンネル拡幅 尾道
広島県は本年度、尾道市瀬戸田町の高根島にある内の浦トンネル(117メートル)の拡幅を計画している。珍しい手掘りのトンネル。道幅が狭いため消防車や大型車が通れず遠回りを余儀なくされている。2014年度内の完成を目指す。
トンネルの幅員は約2・5メートルで、車両の通行制限は高さ2・2メートル。計画では、トンネルにつながる県道も合わせた約300メートルを約5メートルに広げる。
市消防局によると、現在トンネル奥に数軒ある集落に緊急車両が出動する際、島に入る高根大橋から反対側を迂回(うかい)するため、3〜5キロ多く走っている。完成すれば約3分の1の距離になるという。
高根小の閉校記念誌によると、トンネルは1952年開通。壁面は手掘りのため、ごつごつとした岩肌がむき出しになっている。近くの農業根角哲司さん(77)は「トロッコで土を運び出す横で遊んでいた」と振り返る。最近はサイクリストたちが訪れる隠れた名所になっている。
着工時期などは未定。県東部建設事務所三原支所は「緊急車両の通行や離合が難しい状況が解消され、住民の安心や利便性向上につながる」としている。
【写真説明】岩肌がむき出しになっているトンネル内部。大型車は通行できない