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大学では教えられない歴史講義

2010年8月31日(火曜日)

重版御礼(10)―完・それはさておき拉致問題!

カテゴリー: - kurayama @ 12時11分06秒

 月に一度の不眠症解消番組こと『朝まで生テレビ』で高野孟氏が非常に正しいことを言っていた。「小沢さんには何の力も無い。だから支持できない」と。ごもっとも。
そこへ司会の田原さんが鋭いツッコミ。「8ヶ月で政権を潰すのが好きなんだ」

 もし自民党がまともなら、そろそろ政権交代?

 しかし、この期に及んでまともな政策を訴えられないって、小沢さん致命的だわね(青木幹雄調)。菅内閣これだけ失政しているんだから、「俺ならこうやる!」って言えば、世論の支持なんて簡単に上がるのに。

 日本に残された猶予はあと三年。
 いよいよ、白川方明は討伐されるべきである!
 その先に羽毛田信吾の討伐がある!
 とにもかくにも拉致問題は解決されなければならない。

とか、小沢さんのためにあるような言葉では?
 口下手な政治家、言うべきときに言わない政治家はダメです。
 まあどさくさに紛れて「脱仙谷」の話になっているのは面白いですが。誰が台本を書いているのだろう?

本日も南君のつぶやき
http://twitter.com/nantatu

10.『新国際社会』では冷戦の終結と新しい対立をわかりやすく解説している。
また、時代の象徴として昭和天皇崩御にもページを割いている。
そして、日本の現代史は平成14年9月17日の小泉訪朝に始まると結論づけている。

 急遽、私が担当することになった章です。
 最後の同時多発テロの本文、ほとんど拉致問題ですけど。笑
 これを書かずに、日本現代史が語れますか、という話です。
 あと、内政の話をタイトルと無関係に盛り込みました。日本史の本ですし。
 平成史って評価が定まっていないので、山川系の教科書では書けないのでこれでもかと盛り込みました。

ということで南君ありがとう。このシリーズ、最短で完。

『総図解 よくわかる日本の近現代史』

(新人物往来社、税込1470円)

好評発売中です。


重版御礼(9)―高度経済成長

カテゴリー: - kurayama @ 11時45分45秒

 潜ったまま浮かび上がれないかと思いました。

 本日も南君のつぶやき
http://twitter.com/nantatu

9.『高度経済成長』では大東亜戦争終結後、
諸民族が独立して国際政治が多極化していくことを解説。
日本も日韓基本条約や日中平和友好条約を締結し、
沖縄の本土復帰など年表入りでわかりやすく解説。

 韓国の話はもっとしっかり盛り込みたかったのですが、残念ながら割愛。
 ただでさえ「厚すぎる!」ということでしたので。
 結果、他のシリーズより100円オーバー。。。

『総図解 よくわかる日本の近現代史』

(新人物往来社、税込1470円)

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2010年8月28日(土曜日)

小沢さんにふさわしい大臣&重版御礼(8)―占領と共産主義

カテゴリー: - kurayama @ 11時45分04秒

 最近、時間の感覚がおかしい倉山です。
 菅総理の脱小沢路線。
 そんなことより「脱輿石」の方が重要では?
「脱仙谷」と合わせて「挙党体制」ならば国民の支持を得られると思うのですが。
 ちなみに前原さんは代表の時に「脱官公労」と言いながら、社会党系を恐れて、民社党系に嫌がらせをするという敵味方識別装置崩壊極まれりな行動をとったことをみなさん覚えていますでしょうか。

 そうそう、もう手遅れですが、今すぐ小沢さんを就けるのにふさわしい椅子を思いつきました。

法務大臣!

本日も南君のつぶやき
http://twitter.com/nantatu

8.『戦後復興』では占領政策という名の日本弱体化と冷戦勃発による日本の戦略的価値向上に伴う米国の占領政策の変更や多数講和について解説。また、新安保条約が旧安保条約より有利にも関わらず、学生運動が革新勢力に利用された事を指摘。

 総力戦の定義は「自らの総力を出し切る戦争」ではありません(正しい定義は、お買い上げを。笑)。それは単なる総動員体制です。占領政策、特に憲法押し付けと東京裁判こそ総力戦の本番なのだということは一貫させました。学生運動などというあだ花もそうですが、共産主義とは何だったのかはしっかりと描きました。

 社会党が主語の場合は「単独講和」「片面講和」でも良いのですが、サンフランシスコ条約は「多数講和」ですね。表記の統一を直しておきました。あと戻って、ノモンハンの図表頁ですが、「ソ連の外交的勝利」ですね。「ソビエト連邦軍の勝利」は校正で何回削っても残ってきました。スターリンの呪い?


2010年8月26日(木曜日)

どうでも良い話&重版御礼(7)―大東亜戦争

カテゴリー: - kurayama @ 23時56分53秒

 今日の『週刊文春』、小沢派の虚勢について書いていましたね。軽井沢バーベキューの実態とか、デフレ議連でまじめに政策の勉強をしていたら乱入して政局の話をしだすとか。

 小沢さんが民主党代表選挙に出馬とか。左様ですか。
 是非、日銀法を即刻改正して白川法王馘首と景気回復を実現し、輿石体制を打破していただきたいですね。もうついでに「宿敵」羽毛田信吾宮内庁長官も、陛下のお側から引き離してほしいものです。まさか、引退したはずの高嶋自治労利益代表様が動き回っているとかはないでしょうね。

 輿石会長選挙の後も、8月あたりから代表選に向けて動き回っていたようで。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201008/2010080401058
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100805/stt1008050018001-n1.htm

 で、その後に慰労会の名目
http://www.excite.co.jp/News/politics_g/20100823/20100823M10.115.html

 というか選挙前からやっている。そんなにこの人と会う名目がほしい?
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20100618/plt1006181249001-n2.htm

 本気で「小沢さんなら官公労と縁を切って日本を救ってくれる。もはや官僚を抑えられるのは小沢さんしかいない」などと信じている方々の願いが、はかない妄想で終わるような事態にならないようお祈り申し上げます。
 きっと、菅さんが勝とうが小沢さんが勝とうが、輿石さんの協力が無ければ何もできないとかの状態は動かないとか、そんなことはないのでしょう。(一応、断っておきますが、皮肉です。時々本気にする人が多いので)

 ちなみに、この砦で散々書きまくっているように、仙谷自治労官房長官に心を許していないです。ではどうするか?

 当面は、金融緩和=お札を大量に刷ってどんどん市場に流す!以外にあるのですか。
 ちなみに最近は反リフレ派の連中、「お札を刷っても流す方法がない」とか言い出した。
 それ、もはやジンバブエ並の途上国では?

 そうそう、ついでですが、小林よしのりさんの天皇論、終わったかと思いましたけどまだ続いていたのですね。
 まあ、女系天皇が許されるなら一条経嗣はいらんわなあ、以上の感想をその後もっていないのですが。是非とも私の意図するとことを理解した上での反論を聞きたいものです。
 ちなみに、今はこう見えて潜り中です。

 さて、本日も南君のつぶやき
http://twitter.com/nantatu

7.『大東亜戦争』では総力戦を定義づけ、それを理解できなかった日本は戦中・戦前の宣伝戦や敗戦後の占領政策などで見誤った事を指摘。また、戦争に至る経緯と日本の戦争目的を「自存自衛」と「アジア解放」である事をわかりやすく解説。

 最年少著者久野君の担当の章ですね。若手ですので期待してあげてください。
 相当、編者として筆を入れましたが、そのおかげで全体の統一をはかれましたね。

 第二次大戦は、デモクラシーのファシズムへの勝利ではない。
 ヒトラーの後、スターリンに支配された東欧の立場はどうなる。
 チトーやフランコやサラザールをどうとらえるか。
 英米も含め世界的に独裁者が台頭する時代に日本とフランスだけは大国のクセに首相がコロコロ変わった。
(本当は、この両国の婦人参政権と総力戦認識の欠如の話も入れたかったのですけど)
 日本は、デモクラシーとファシズムとコミュニズムが衝突した。
(持てる国のはずが勝手に持たざる国へと突き進んだ)
 日米戦の最大の原因はF・ローズベルトのしつこすぎる挑発。
 大東亜戦争とは大日本帝国と大英帝国の差し違え。

 以上などは、既存の概説書にはほとんど無い論点でしょう。
 総力戦の定義は次の小野先生記述の占領政策ともつながります。

 戦争名称は右でも左でもなく普通に大東亜戦争です。自国の決めた戦争名称です。何か問題でも?というか他の名称を使うのがありえません。

『総図解 よくわかる日本の近現代史』

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2010年8月25日(水曜日)

政治を近くする会&重版御礼(6)―誰が日本を滅ぼしたのか

カテゴリー: - kurayama @ 20時08分39秒

 昨日は「政治を近くする会」でした。
 狭い部屋が満員で御迷惑をおかけしました。
 地元文京区から、若いお二人の区議会議員の先生にお越しいただきました。

田中としかね先生(自民党)
http://www.toshikane.net/

高山たいぞう先生(民主党)
http://www.pwdd.net/t-taizo/

 田中先生とは、「選挙の基本は受験指導にある!」という話で意気投合できました。
 高山先生には懇親会までお付き合いいただきました。ありがとうございます。
 こうして、和と輪が広がれば、と思っています。

 さっそく来週9月1日(水)から、毎月第一水曜日にやります。

 ちなみに、昨日お話した議題だけを並べておきます。

来年の統一地方選挙は史上最も重要な統一地方選挙
政治家の言葉は法律の条文より重い
3日で偏差値を15あげた方法
人間の能力をはかる3つの「C」
ワンフレーズポリティクスの真の意味
マジック3をどう設定するか―小泉純一郎と三原じゅん子の事例

 ご興味がある方は、文京シビックセンター5階にお越しください。

 あと、明日木曜日倫理法人会新宿中央「今すぐ坂本竜馬になる方法」
来週31日火曜日は神田西郷会で「今こそ語りたい西郷隆盛」
を講演します。
 ご興味の方は、お越しください。詳しくは「最新情報」を。

本日も南君のつぶやき
http://twitter.com/nantatu

6.『戦争への道』では、国策なき時代をわかりやすく解説。また、満州事変におけるリットン調査団の内容が日本にとって不利ではなかったとか、ノモンハン事件がソ連側にも大打撃を与えた事など、一般的に誤解されている事も指摘している。

 リットン報告書には「蒋介石国民党政府はファシズムだ」とか、露骨に書いていますけど、
短い要約が要求される本書ではそこまでは書ききれませんでした。
 戦闘では無敵だった陸海軍の現場、どうしようもない官僚主義だった中央。
 世論と近衛文麿と工作員がどれほど昭和十年代の歴史を語る上で重要か、に注目していただければ幸いです。
 今の日本と瓜二つ?
 総理大臣が毎年変わるのは同じですけど、当時の関東軍や参謀本部が今の日本銀行をみたらよだれを垂らしてうらやましがるでしょうね。

『総図解 よくわかる日本の近現代史』

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打倒!宮部みゆき?!&魔王宮&重版御礼(5)―ヒトラーこそ、ウィルソンの申し子

カテゴリー: - kurayama @ 20時00分36秒

 おかげさまで、新人物往来社の売り上げ第二位になりました。
 かの宮部みゆきさんに次いで貢献しています。笑
 大入り袋期待?というにはまだ早いですね。

会社別売り上げランク
http://books.hounavi.com/books/browsenode_10805841/

 さて、大評判の竹田恒泰先生のコラムの一部が下記でも読めます。
 大筋そのままに、少しリライトしての連載になります。
フジテレビ『少年タケシ』連載の「皇室の教科書」より 「魔王宮」と呼ばれた皇族
http://wwwz.fujitv.co.jp/takeshi/takeshi/column/koshitsu/koshitsu.html

 日本近現代史の本を書く際に、天皇・皇族を抜きにかけるはずが無いでしょう、というのが企画会議での意見でした。当然、こういう本のこういう内容となると、日本で最もふさわしいお方は竹田先生しかいないでしょう、という話でダメモトでお願いしたところ快くお引き受けいただいた次第です。

 で、最後は未来への課題という意味を込めて「皇室典範」問題でしめるということになって、
とりあげる天皇皇族の方々は九方になります。当然、四代の天皇陛下は自動的に決まるのですが。幕末明治でお二人の皇族を選ばなければならなかったのですが、お一人は有栖川宮ですぐに決まりました。もう一方は色々考えたのですが、久邇宮しかいないでしょう、という判断になりました。有栖川宮と上手く対比になるかな、くらいのつもりでしたが、出来上がった玉稿は予想外の内容で、編集部で歓喜歓呼の声が上がりました。(比喩ではありません)

 物語風になっていますので、是非ご覧になってください。
 もちろん、『総図解〜』の方も引き続きよろしくお願いいたします。

 本日も南君のつぶやき
http://twitter.com/nantatu

5.『大正〜昭和』では政党内閣の時代に移った国内情勢と第一次世界大戦など国際情勢についてわかりやすく解説。また、日英同盟を廃止するのを目的とした4カ国条約が日本と英国の挟撃を恐れた米国の圧力によるものと指摘。

 ウィルソンに関しては、日本語の本だとなぜか聖人君子のように描かれてばかりですけど、現在の人類の不幸の九割はこのひとのせいではないのでしょうか。私はウィルソンを狂人として描かないこと自体が実証主義の放棄だと思っています。ウィルソンを真人間・普通の人間として描くのは明らかに事実に反しますし。
 ヒトラーのコラムと合わせてお読みいただくと、ナチズムこそウィルソン主義の最も忠実な実現だとお分かりかと思います。
ちなみに管見では、ウィルソンに一番冷笑的な日本人が吉野作造です。

 日米関係や日英関係で日本の錯誤だけを取り上げる人がいますけど、英国や米国はもっと錯誤しているという点を踏まえないと訳がわからないですよね。あと、日英米の三角関係で、アングロサクソンが日本潰しの陰謀を立てていたなどというのは大嘘で、この三国の関係で最も激しく対立しているのは英米ですから。ということに気づいていた日本人が石井菊次郎くらい、という悲劇。までは書ききれませんでしたが。

 あと、内政の話ですけど、浜口内閣に限らず政党内閣がいかに強かったか、がわからないと
日本近現代史は理解できません。「選挙で何も変わらない」ではなく、「総選挙ですべてを決める」は今だけでなく、昔からそうです。

『総図解 よくわかる日本の近現代史』

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2010年8月23日(月曜日)

重版御礼(4)―地政学的状況

カテゴリー: - kurayama @ 23時28分48秒

 昨日の記事の反響は大きく、来年の統一地方選挙に出たいという方々から

「あらゆる外国人参政権に反対します!いかなる抜け道も認めません!」という声をいただきました。わが町に最低一人、信念のある議員がいるのは心強いことでしょう。

 来年の統一地方選挙、史上最も重要な統一地方選挙です。

 いよいよ明日になりました。

政治を近くする会

文京シビックセンター5階会議室D

18時30分〜21時

です。詳しくは「最新情報」を。・・・ほとんど見る人がいないとの噂。。。

 世間では、菅・白川会談が電話で15分で単なる無駄話で終わったり、軽井沢のバーベキューには45分じゃなくてちゃんと最初から最後までいないといけないでしょうという大物プレイのおじさんがいたり、総理がサイン本を配る会というのがあって、テレビで我らが宮崎岳志先生がインタビューに答えていたり、テレビタックルで松原仁先生が音頭を取って白川法王&日銀貴族叩きをやっていたり、と世間では色々とあるみたいですが、暑さに負けず仕事三昧の倉山です。

 本日も南君のつぶやき
http://twitter.com/nantatu

4.『日清日露戦争』では冒頭で朝鮮半島が敵対的な大陸勢力の手に落ちれば、日本の安全は保障されないと核心を述べている。また、三国干渉について日本政府首脳がロシアの介入を予見し、黒幕がドイツと推察していたとする解説は秀逸。

 ドイツ話は8月2日にしたのですが、ドイツ要因を抜きに三国干渉ロシア黒幕説を語る明治外交史家、つくづくバカですな。
『遼東半島還附一件/露、仏、独三国干渉』(外交史料館所蔵1.4.1.13)とか読めば一目瞭然では?
 ちなみに、平日の昼間に六本木に行って20分待たされなくても、ネットでアジア歴史資料センターで閲覧できます。http://www.jacar.go.jp/
 レファレンスコード検索でB03041162700とか入れていただければ。
 あとキーワード検索で「遼東半島還附一件」と入れていただくのが早いかな。

「朝鮮半島が敵対的な大陸勢力の手に落ちれば、日本の安全は保障されない」
は今でもそうですよ。

 世界の政治指導者の頭の中は今でも地政学で出来上がっていますから。

 地政学とは、世界を動かす論理です。

 全編、地政学で貫いている歴史書です。

 『総図解 よくわかる日本の近現代史』

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2010年8月22日(日曜日)

外国人住民投票と重版御礼(3)―帝国憲法

カテゴリー: - kurayama @ 23時30分54秒

 お問い合わせフォームに以下の記事が送られてきました。

実質的な外国人参政権を川崎市が認める
http://www.yamatopress.com/c/1/1/2922/

 住民投票を先行させようとの動きです。
 川崎市、今でさえ神奈川県から独立しているに等しいですからなあ。
 これで「地方主権」とか言われた日にはたまりませんね。
 ちなみに「地方分権」(よくわかっていない人が「地方主権」を使う)には、結論だけ言うと総論反対各論賛成です。いわゆる保守の人にも、みんなの党の支持者のどちらにも納得いただける理屈は用意していますが、潜り中ですし、頃合を見て。

 ちなみに我孫子市はもっととんでもないことに、だそうです。
市民投票制度ができました
http://www.city.abiko.chiba.jp/index.cfm/19,0,203,819,html

 三ヶ月住んだだけで投票権がもらえるとか。

 まあ、住民投票を無力化する方法はあります。
 しかし、その意思を住民が持たないとその方法は使えません。

 来年の統一地方選、史上最も重要な統一地方選挙になります。
「わがふるさとに一人でも愛国者を」という選挙です。
 何をどうすればよいかを知りたい方は、
文京シビックセンター5階
会議室Dに来てください!


8月24日(火)政治を近くする会

やります。

 さて、重版御礼、第三弾です。

『総図解 よくわかる日本の近現代史』

(新人物往来社、税込1470円)

南君のつぶやき。
http://twitter.com/nantatu

3.『帝国憲法』では大日本帝国憲法下の政治機構や日本国憲法との比較、
さらには重要な役割を果たした元老の一覧などをわかりやすく解説。
また、後に問題となる統帥権のしくみも図解している。
憲政史研究者である氏のまさに中心のテーマ。

と書いていただいて、執筆者は小野先生。とはいうものの編集段階で相当、力を入れましたが。
「よくある日本国憲法との比較表」、右はそのままですけど、左(帝国憲法)がまるで違う解説なの、気づいていただけました?

 ちなみに「円の大きさは国力の大きさを示す」は、重版で削除しました。ベルギーは大国ではないので。最初、1791年憲法フランスにしていましたので。


重版御礼(2)―日本は世界とどう対峙したか

カテゴリー: - kurayama @ 00時32分10秒

 重版御礼、第二弾です。

『総図解 よくわかる日本の近現代史』

(新人物往来社、税込1470円)

 南君のつぶやき。
http://twitter.com/nantatu

2.『明治維新』では明治政府を取り巻く国際状況(欧米が近代国家として再編時期であり、また英露が覇権抗争中)をわかりやすく解説している。日本史と世界史を別に学びがちな学校教育では理解しにくい因果関係や出来事の背景を理解できる。

 世の中の教科書は「世界の中の日本」とか言いながら、日本のことを日本の話だけで語っています。これは自ら精神的鎖国をしていることです。江戸時代の日本人がどれほど知識を求めたかということを考えると、どうしてこんなに変わってしまったのでしょうか。

 昭和期の卒論を書く人間で、ヒトラーやスターリンを知らない人間は一人もいません。
 明治期の研究者は、ディズレーリやビスマルクの名前くらいは知っています。
ウィルヘルム二世がどれほど日本に影響を与えたかとかは知っておいてほしいですが。

 で、幕末研究者が、当時の二大超大国である大英帝国と大ロシア帝国の指導者名前を知っているか、という話になると、知っているほうが少ないのですね。
 これは平成20年代の日本を研究するのに、オバマも胡錦濤を知らないのに、インドの艦隊司令官を必死に研究している、とかだと奇妙ですよね?ペリーなんて、その程度の人物です。
 パーマストンやネッセルローデを抜きにして、幕末日本が語れるのかという話です。
(以上、砦の過去記事の復習)

 今までの歴史教科書って何だったのでしょうか。
 自分が勉強していた時に訳がわからなかったので、こういう本を作ってみました。

 ちなみにとある出版関係者から、右にも左にも偏らず、事実関係だけで中庸を保っているとの感想をいただきました。
 編者として意図が成功しているのかなとうれしくなりました。
 また頑張れます。


2010年8月20日(金曜日)

重版御礼(1)―「尊王」「攘夷」は日本人の総意

カテゴリー: - kurayama @ 15時53分42秒

 私の大学の後輩で、北朝鮮に拉致された中大生を救う会 第二代幹事
南竜也君が『総図解〜』のことを10回連続でつぶやいてくれそうなので、御紹介。
http://twitter.com/nantatu

 本当は潜るつもりでしたが、15分以内で書ける内容になりそうなので1日1回は浮上します。
(普段は30分くらいで書いてます。気分が乗ると1〜2時間・・・ギリシャとかハマコーとか)
 レスはつけれないと思いますのですいません。
 このネタに関連するレスはこちらでお答えします。

 南君は、「拉致はでっちあげ」だと言われていた時期から蓮池薫さんを取り返す活動をしていて、「駅のホームでは真ん中にいろ」とか忠告されていたそうです。(私もですが)
 まず「母校愛」に訴えて中央大学関係者や現役学生・卒業生に蓮池さんの存在を知ってもらい、できるだけ蓮池さんの名前がメディアに載るように活動する事で北朝鮮に正しいメッセージを送ったり、と国民世論に広げていった立役者です。
 将来を期待される若者ですのでここに御紹介。

 ついでに、良い機会なので重版御礼も兼ねて解説&レスを。以下、南君のつぶやき。

1.『幕末』では攘夷は幕末・明治を通じて日本人の共通認識であった事や「尊王」と「佐幕」は対立概念ではない事など先入観から誤解しがちな当時の状況をわかりやすく解説している。

 これは叔父さんの息子さんのレスでも取り上げていただいた点ですね。
 お褒めの言葉、ありがとうございます。

 まさに「尊王」は日本人の総意で、佐幕派こそ「公武合体」で頼りましたから。
「佐幕」派と「倒幕」派が天皇の最終的な支持を求めて抗争したのが幕末ですから。

「攘夷」と「開国」を対立概念とする考えですが、そんなものを本気で最後まで信じていたのって、大村益次郎を暗殺した神代直人とか級の大馬鹿者くらいです。
 吉田松陰とかは「攘夷」論者にして「開国」を絶叫し続けていましたから、従来の教科書的説明では説明がつきません。そこでより長い歴史的視野で説明してみました。
「攘夷」の実現は日清戦争です。とすると「開国」論者とは要するに「時期尚早論」でした。
「尊王」「攘夷」は当時の日本人全員が合意できる建前であって、その建前をどのように誰が実現するかをめぐって争っていたのが幕末政局だった、と考えてください。

 松陰の思想とか、神代直人とか、さすがに紙数の関係で言及できなかった背景を説明していきます。
 全10回シリーズ。・・・後輩に「砦、サボるなよ、と督戦されている先輩の図」です。。。

『総図解 よくわかる日本の近現代史』

(新人物往来社、税込1470円)

好評発売中です。


2010年8月18日(水曜日)

「桜」出ました&重版決定!

カテゴリー: - kurayama @ 23時50分22秒

 本日、チャンネル桜出てきました。砦のことも宣伝させてもらいました。感謝。

 視聴された方、ご感想お待ちしております。

 

 さて、スタジオ入り直前、重版の連絡が。もちろん、

『総図解よくわかる 日本の近現代史』

(新人物往来社、税込1470円)

のことです。ほとんどシリーズ最短の重版だとか。ありがたいことです。

 ということで、もろもろ忙しいので、今から潜ります!


2010年8月17日(火曜日)

鍛冶俊樹先生、ご紹介

カテゴリー: - kurayama @ 23時16分01秒

 ここ数日、時間の感覚無く、執筆と睡眠を繰り返し、日付とか曜日の感覚がなくなっていた倉山です。
 砦の更新も一日飛ばしてしまいました。すみません。
 原稿の督促と出演依頼で確認しました。笑
 明日、チャンネル桜に出演します。
 お題は

憲法学者からみた8月15日(仮)

です。

 さて、最近はビジネスマンや経営者の方が興味を持つ経済問題と、いわゆる保守思想の人が関心がある国体とか歴史とか軍事の話が、実はつながっているということばかり主張しています。
 そんなところへ、私の15年来のお知り合いである、軍事評論家として高名な

鍛冶俊樹先生の記事を発見。

『防衛白書』延期と防衛予算1割カットの衝撃
“ガラスの国防政策”が粉々に砕け散る?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100809/215746/?P=1

 数字で語ってくれていますので、軍事知識が無い人にも読みやすいと思います。
 鍛冶先生は航空自衛隊出身ですが、陸海空すべてに通じておられて、歴史の話もできて、
学術的な裏づけもあってわかりやすい切り口で語ってくれています。

 文春新書の『戦争の常識』は日本語で書かれた軍事入門書として最良の本じゃないですかねえ。詳細はいずれいたしますが、鍛冶先生と一大企画を進めています。


2010年8月15日(日曜日)

靖国参拝

カテゴリー: - kurayama @ 20時31分19秒

 本日は静かに英霊をはじめとするすべての戦没者をお慰めする日ですね。

 あえて8月15日というのは、ことここに至っては仕方ありません。

 三木首相が、青嵐会に配慮して8月15日に、内閣法制局に配慮して私的に、参拝し、もはや国際紛議とっているのですから。特に英霊の皆様は、敗戦後も祖国が近隣諸国の圧力に屈する姿は見たくはないと思われますので。あえてこの日に参拝すべきでしょう。

 ただし、できる限り目立たないように、お祈りいたしましょう。願うばかりです。

 表題とは直接関係ありませんが普及させたいもの。

敵味方識別装置!

 そう言えば、軍人さんをはじめとする国民の懸命の努力を、敵味方識別装置の壊れた、あるいは最初からついていなかった文武の高官が台無しにしてしまいましたね。中には意図的に壊して回った尾崎秀実というのもいましたが。。。


2010年8月14日(土曜日)

亡国の公式!

カテゴリー: - kurayama @ 14時39分03秒

 愛国者の皆さんに肝に銘じてもらいたい公式があります。

経済的清算主義+政治的左派=亡国日本

 いわゆる保守とか真正保守の皆さんとお付き合いすることが多いのですが、なぜ消費税増税とかデフレ不況とか白川法王&日銀貴族の話をするのかとよく聞かれます。それより皇室典範とか国防とか憲法の方が大事なのではということのようです。
 今の日本の保守陣営の悪い癖なのですが、二者択一でないものを二者択一にしたがることです。
 たとえば「若宮殿下と内親王殿下とどちらに帝王学を伝えるべきかを決めろ」とか。
 日本の帝王学は皇族のみならず公家や上級武家ならば全員受けているという、正しい知識があればできないような恥かしい主張をする人すらいます。ちなみに欧州なら王族のみならず貴族全般ですね。アメリカならば上位7%の富裕層です。

 本題に戻りますと、景気回復と伝統保守は二者択一ではなく同じ問題です。
 時局認識を持ちましょう。
 今の政権は自治労・日教組が中枢です。
 残念ながら、重要な問題で一歩でも譲歩したら即亡国というところまで追い詰められています。少なくともこの砦で何度も書いた「船中八策」の問題に関しては、全部の戦線を守らねばならないのです。最終防衛線ですから、どこか一つでも突破されたらあとは殺戮されるだけです。
籠城戦とはそういうものでしょう?

 で、私も単なるゼニカネの問題としての経済問題ならばここまでやかましく言いません。
「ゼニカネの問題としての経済問題」とは好況と不況を繰り返すことです。その周期がどの程度かの専門的な議論はともかく、10年を越えないことは確かです。
 ところが、少なく見て日本は12年連続の不況です。しかもインフレの方ではなく、3年以上続くと奇観と言われるデフレの方です。長く見れば20年です。平成生まれの子供たちは元気な経済を知らないわけです。明らかに国家の活力は失われ、人心はすさんでいます。
 今の経済問題は、目先の金儲けの意味でのゼニカネの問題ではないのです。

 皇室典範改悪とか外国人参政権とか歴史問題が亡国への道であるとは保守の心を持つ人には自明でしょう。
 同様に今のデフレ不況も放置すれば亡国です。
 愛国者として経済問題を取り上げた偉大な先人に石橋湛山という方がいます。
 石橋が格闘したのは昭和初期のデフレ不況と敗戦直後の大インフレです。
 石橋の武器は正しい知識と言論でした。
 経済問題に関して声を上げることは愛国者の義務です。

やるべきことを意図的にやらない日本銀行。・・・法王よりワルの貴族がいるとか。
暢気に夏休みをとっている菅首相と民主党。・・・真剣なのはデフレ脱却議連のみ。
連中の暴走に追随する財務省主流。特に勝次官!・・・良識派は何もできていない。

 もはや日銀併合しかないでしょう。なぜ財務省(良識派)が動かないのか???

 正しい知識から正しい判断が生まれる!愛国者たるもの、問題を正しく認識し、正しく行動しましょう!

 最後に清算主義とはどういうものかを語りましょう。
 意図的に不況を起こせば、不良企業は淘汰される。しかも官僚統制は自然と強まるので権限が拡大する。その過程で失業・倒産・自殺がどれほど出ようが悪い事ではないどころか、むしろ良い事。官僚の統制力が強まるので、誰が不良品で誰を残すかは意図的恣意的に選別できる。
という思想です。
 時々近代経済学の理論を混ぜますが、日本においては社会主義者の道具です。
 少なくとも二回の事例、昭和初期と現在はそうです。

 さあ、ここまでくれば、
 首相に消費税増税を言わせた人物と歴史談話を出させた人物が同じなのに気づきますね。
 仙谷官房長官です。
 少なくとも瞬間的には、どんなに短い期間でとっても、現在の日本の権力中枢司令塔は仙谷官房長官です。
 政界の一寸先は闇なので予測はしませんが。
 というか、事実認定や予測をしている暇があれば首を取りにいかねばならない訳です。

 経済の話も政治の話も、日本を滅ぼしたい人たちがやろうとしていることは同根です。
 実際の人脈などどうでも良いです。確定できた時には日本が滅んでいました、では無意味なので。
 問題は政策です。
 日本亡国に直結する政策にはすべて反対する!
 こちらからの積極的な反転攻勢としてまず白川法王の首を取りに行く!

 この砦、何の関係もない話題でも
「それはさておき、白川方明と羽毛田信吾は討伐されるべきである。」
と締めています。
 そういうことです。

今の日本で経済的清算主義をやる

ことは社会主義革命をやることと

同じです!!!


2010年8月13日(金曜日)

快適な目覚め

カテゴリー: - kurayama @ 12時02分40秒

 20年続くデフレに加え、15年ぶりの円高が始まった猛暑の折、皆様は如何お過ごしでしょうか。
 本日の産経新聞の一面は「政府・日銀 無策ぶり露呈」でした。ここのところ日経かと間違えてしまうような愚かな記事が続いていたので、久しぶりに安堵いたしました。

 ところで、2004年から7年連続で「子供に見せたくない番組」第1位を独占している「ロンドンハーツ」という番組をご存知でしょうか。「友達になりたくない芸人第1位」「恋人になりたくない芸人第1位」「平成の火野正平」として有名な田村淳というタレントが司会の番組です。
 その田村淳がフジテレビの「知りたがり」という番組に出ていました。

 で、今回の円高危機の解説に際しての茶々で一々笑い転げてしまいました。

「白川何してんだよ!」

「日銀、仕事しろよ!」

 よりによって田村淳に正鵠を得た罵倒をされてしまった白川法王と日銀貴族。
 フジテレビ、極めて効果的な攻撃だと思います。
 軽くてチャラチャラしていると思われているタレントに小バカにされる。お堅いエリート職業の筆頭だと思っている方々にはさぞ屈辱でしょうなあ。

 各テレビ局にお願い。
 田村淳さんにもっと白川法王と日銀貴族を攻撃させましょう。
 森永卓郎教授と組ませた番組とかおもしろいのでは?


2010年8月12日(木曜日)

総理の夏休み

カテゴリー: - kurayama @ 23時58分43秒

 昔、鈴木善幸という総理大臣がいました。渾名は暗愚の帝王。

 夏前に閣議で一言。私は重大な決心をした!

 閣僚一同、大緊張。
 まさか、解散か総辞職か?
 総理大臣の「重大な決意」とはどちらかしかない。
 そこで宰相閣下、一言。

私はしっかり夏休みをとる!

 閣僚一同、大爆笑。
 しかしすぐに「休んでいる場合か」「いや永久に休んでいろ」と罵られる失政。。。
 以上、遠い過去の話です。決して今とか近未来の話ではありません。
 まさか、総理大臣が経済危機にしっかり夏休みをとるなんて、ましてや自民党から政権交代した民主党政権で。ありえないですよね。ハハハ。

円急伸・株急落 でも首相は夏休み続行、官邸は開店休業状態 アツモノに懲りた?
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/100812/fnc1008122006019-n1.htm
 ↑きっと、鳩山さんと代表選挙のことで密談をしにいったのですよ。と、日刊ゲンダイに書いていました。

 さて、アメリカがお札を刷った途端に円高になりました。
 当たり前です。ドルの価値が下がるので、円はますます希少品になります。
 日本人で喜んでいるのは海外旅行に行く人と輸入業者だけ。
 で、一番泣いているのが輸出業者です。
 そういえば日本は貿易立国で輸出産業で成り立っている国でしたよね。
 その証拠に円高に反比例して株安が進みます。
 つまり日本は未曾有の経済危機です。

 野田財務大臣は「見守る」だそうです。
 この人には何も期待しないです。わかりました。
 野田閣下は日本を滅ぼそうとする勢力に手を貸すということですね。

 さて、相変わらず円を刷らない日本銀行。
 というかそれだけは絶対にやらせないようにしている日本銀行。
 池上彰氏とか辛坊治郎氏とか本気かなあ。言ってることが日銀弁護論ばかり。
 辛坊さんとか他のことでは好きだったのに。。。がっかり。

 今の経済危機にできることは何か。
 白川総裁に日本人の怒りを伝えることです。
 毎年少なくとも一万人の自殺者は、白川さんあなた一人のせいで死んでいっているのですよ。
と伝えることです。
 あらゆる手段で伝えましょう!
 白川さん!今の日本のデフレ不況はあなた一人のせいです!
 あなた一人の決断で日本は景気回復できるのになぜお札を刷らないのですか!
と伝えましょう。

日本の自殺者三万人!

日銀総裁・白川さん!

 ちなみに高橋是清がどうやって経済危機を乗り越えたかを知りたい方は、

『総図解 よくわかる日本の近現代史』

(新人物往来社、税込1470円)

好評発売中です。


2010年8月11日(水曜日)

ハマコーさんの話

カテゴリー: - kurayama @ 23時47分38秒

 前科何犯めだかよくわからない元代議士で元ヤクザのハマコーこと浜田幸一先生が逮捕されました。
 この人、遠くで見ていると楽しい人です。一度、大学時代にサークルで講演に来ていただいたことあるのですが、主催者都合を守らないし大変でした。。。

 ちなみに講演では、聞かれもしないのに、
「社会党の大出俊、あいつは自民党から金をもらってる悪いやつなんだ!」とか言い出します。
気分が乗ると「何でそんなこと言えるか!?俺が直接渡していたからだ!金丸さんに言われて500万円ずつ4回に分けてな!」とかディテイールがやたらと細かくなることもあります。

 元ヤクザという経歴に関しては
「ヤクザになってグレたのではない!ヤクザになって更生したんだ!稲川会の会長さんに真人間にしてもらったんだ」らしいです。
 ちなみにハマコーさんの地元の木更津の食堂に入った時に、「吾往」というハマコーさんの色紙が飾ってありました。
 なぜそんなものを飾ったあるかを聞くと「これを置いておくと変な人が寄り付かないから」だそうです。
 はじめて見た本物の「魔除け」でした。ちなみに字体は「吾」にしか見えませんでした。

 ハマコーさん、衆議院議員としては小沢一郎様たちの同期です。
 経歴が災いして佐藤派・田中派にいれてもらえず、川島派に田中角栄の「伏せ駒」として送り込まれました。つまり所属する派閥は川島派ですが、盆暮れの手当ては角さんからもらってました。その時、ハマコーさんだけは右手の次に左手を出して「おかわり」をしていました。曰く、伏せ駒の辛抱代だとか。
 角さん、次回からハマコーさんの包みだけ金額を半額にしていたとか、いなかったとか。

 ハマコーさんと言えば武勇伝。
 自民党八百長政治全盛時代はとりあえず会議の盛り上げどころで暴れる役回りですね。
 総務会で派閥の領袖の川島副総裁にコーラ瓶を投げつけたりとか。ただし、派手派手しく絶対に当てないように投げつけていたとか。今の政界はそういう台本がないですね。よくも悪くも。

 最初の武勇伝は佐藤総理に喧嘩を売る。
 佐藤総理が「これまで支持してくれてありがとう」と演説。
 そこで間髪いれずに「支持したのは今日までだ!明日からは違うぞ!」と。
 場が凍りついたのは言うまでも無く。

 田中角栄内閣の推進した台湾切捨に最後まで反対。
「あの時、石原慎太郎は日和った!」と30年間、事あるごとに言い続けています。
 事あるごとにというか事を作って?

 三木総理に。「あんたはナメクジみたいで大嫌いだ!」と面前で罵倒。
 ナメクジ総理、ハマコーさんの攻撃的な質問に一々丁寧に答えていたとか。というか、このおじさんを政務次官に登用したの三木なのに。。。
 そういえばネプチューンの番組で「ハマコー、対歴代総理暴言集」とかやっていて、
「その通りじゃないか」と答えていた。
 確かに三木武夫のしゃべり方、ナメクジっぽかったが。

 実は忠誠を誓っていたのは大平総理。この人にだけは暴言を吐いていない。というか、おしかけ用心棒でした。
 社会党の安宅常彦代議士のネチネチとした質問に、「黙れ××野郎!」と憲政史上最低の野次。
 しかし、なぜか懲罰委員会にかけられず。
 ハマコー先生曰く、
「俺を懲罰委員会にかけろ!社会党に流した金を全部国会中継でばらしてやる!」と。
 むしろ安宅の方が次の選挙で落選。身体障害者の秘書にセクハラをしていたのが露見してのこと。ハマコーさん、そのことを野次で暴露していたのですね。
 ここから生まれた格言。

触らぬハマコーにたたりなし。

 有名な四十日抗争。バリケードを片付けて話題になっていましたね。というか、この映像を流さないと番組がつくれない?

 この時期の出版記念パーティーで。
「三木・福田・田中の三人の元総理には同時に死んでほしい!」と挨拶。
 そこで角栄が「たった今、浜田君に死んでほしいとご紹介されました田中です」と挨拶して度量をみせたと言われますが、映像だとかなりむっとしています。
 で、その本の名前が

弾丸なき抗争!

 さらにその第一章が

死ぬのはお前だ!

 内容は福田赳夫元総理が三塚博代議士を使って中川一郎大臣を殺したかのような書きっぷりです。なお、亀井静香さんは雑魚キャラとして登場します。
 ちなみに中川一郎秘書の鈴木ムネオ氏が今をときめく真正保守の盟主こと平沼赳夫さんに対し、靴べらだの札束だので顔面を殴らんばかりの威張りようだったのは内緒です。

 そしてハマコーさん、長期休養。
「最終学歴ラスベガス大学経済学部、授業料3日で4億5千万円」
だそうです。
 とんでもない額の賭け事がばれて、議員辞職に追い込まれました話です。

 浪人中、声をかけてくれた人の名前は一生忘れていません。
 一番やさしかったのが羽田孜元総理で、渡部恒三黄門様は芋を持ってきてくれたとか。人の良さでは政界一と評判だった安部晋太郎さんは車から降りて声をかけてくれたとか。
 どの本でも頁数の都合とか考えずに全員の名前を載せています。
 ちなみに同じく同期の小沢一郎殿は知らんぷり。
ただし、孫に五月人形を送ってくれた話は毎回してます。←注。江田五月人形ではありません。

 復帰後、少女マンガのパタリロでもとりあげられたほど有名だった自民党本部放火事件で大活躍。本当に消火活動で一番すばやい動きをしたらしいですね。映像も残っています。
 そこに住栄作現職法務大臣がノコノコやってきて、「マッチポンプだ」といらぬ一言。
 そこにハマコー先生の平手打ち一閃!
 事件名が「法務大臣平手打ち事件」に変わりました。。。
 誰ですか?「現職法務大臣平手打ち事件」を今のうちにやりたいとか思ったのは?

 流れ流れて金丸信副総理⇒副総裁の下足番に。右足がハマコー、左足がムネオの担当だったとか。
 大の中曽根嫌いの金丸に代わり、散々悪口を言うのが仕事。
「中曽根内閣は憲法論議と領土問題をぶち壊した内閣だ!」とかこの辺りの評価はマトモかも。
 実は、政策通の大蔵族だったのは知る人ぞ知る事実。

 日本皇民党事件では、大恩ある金丸先生のためにどうでもいい竹下先生のために泥仕事。
「ヤクザがらみなら俺に任せろ」とか言いながら、「あれは系統が違うので・・・」と説得に失敗。
 捨て台詞の「お前らのやっていることはほめ殺しじゃねえか」が、「ほめ殺し」の語源とか。

 予算委員長として「ミワザワケンジ君は人殺しだ!」と暴言。
 共産党が「何を言っとるんだ!」と大慌て。二重の意味で?
 この頃、私の周囲では毎朝「昨日のハマコー」で話題もちきりでした。
「絶対、あれ狙って言ったよね。わざとだよね」などと。
 どういう高校生活だか。

 当選七回でも大臣になれず。当時は唯一です。
 最後は竹下閣下の議員バッジをつかみながら「あんたは日本のためにこれをはずしてくれ!俺もはずすから」などと心中を迫り、あえなく玉砕。かすりもしませんでした。

 引退後、「これはただの暴露本ではない」が売り文句の『日本をダメにした九人の政治家』が173万部の空前の大ヒット。ただし内容はほとんど私怨。なぜか三塚博(肩書は疑惑の博物館)ごとき小物がはいっているかとか。
 そう言えば総務会で伝説の罵り合いというのがあって、あらゆる疑惑を暴露していくハマコーさんに対して三塚さんは「うるさい」とか「黙れ」しか言い返していませんでした。。。

 ちなみに続編の『日本を救う八人の政治家とバカ一人』では、
「バカとは俺のことだぞ!中曽根のことじゃねえからな!」と聞かれもしないのに絶叫。

 総評。
 国際政治と国内の政争とヤクザの論理が同じだとわかっていた稀有な政治家。
 上品な政治家でないことだけは確かですが。
 でも白川方明や羽毛田信吾の方がよほど下品ではないのかなあ。


2010年8月10日(火曜日)

再掲・「倉山談話」

カテゴリー: - kurayama @ 22時06分47秒

 満洲事変で、私達日本人は拉致された朝鮮人の人権を守るために、世界中を敵に回し、最後は国を焦土としても戦い抜きました。両国友情の証に褒めてください。
 支那事変では、韓国人の皆様は本当によく協力してくれましたね。あなたたちがそこまで中華帝国を大嫌いだとは知りませんでした。忘れないよう、感謝いたします。
 大東亜戦争中は、日本人の名前を名乗らせないのは差別だとか、兵役の義務を与えないのは差別だとか、同じ帝国臣民としての権利を認めないのは差別だとの声に、こたえるのが遅すぎたようです。しかも改革の速度が遅すぎました。心より謝罪いたします。
 何よりも深く反省すべきは、二度と戦争に負けないようにすることです。
 しかし遺憾ながら我が国は東京裁判史観の呪縛の中で、貴国が直面する危機に対し十二分な協力ができない虞があります。
 一瞬でも早く、日本はアジア諸国に対して侵略と植民地支配で迷惑をかけたなどという誤った歴史認識から脱却し、敵国から「日本軍国主義の復活である」と恐れられるような国になりたいと思います。
 それまでしばしお待ちください。

 それはさておき、日韓朝人民共同の敵である金正日のあらゆる人権侵害を許さず、特に両国の拉致被害者が即時帰国できるようにするためには、国家の総力をあげようと考えております。


なんのための談話?

カテゴリー: - kurayama @ 22時00分15秒

 松原仁先生と笠浩史先生が報道で取り上げられていますが、我らが金子洋一先生のブログとツイッターがいい意味で大変なことになっています。

http://blog.guts-kaneko.com/2010/08/post_532.php
 こういうことを書くと、また党内の一部からにらまれるかもしれないが、
 こういう連中は権力から遠ざけなければならない、
 民主党のためにも、わが国のためにも。今後、党内の有志と力を合わせて活動したい。

で終わるブログです。
 砦は応援してます!

http://twitter.com/Y_kaneko
 一説によると、デフレ脱却に反対する勢力と、
 今回の日韓併合100年総理談話を推進する勢力が重なっているともいわれています。
 あくまでも、「一説によれば」ですが。では、おやすみなさい。
というつぶやきのツイッターです。

 もちろん、「一説」のひとつはこの砦でしょう。笑
 デフレ脱却反対も訳のわからない歴史談話も、日本を滅ぼすのに有効な手段ですから。
 というか仙谷長官、やりたい放題ですね。

 もはや本題の如き前置きが長くなりましたが、
 本日はこれをとりあげない訳にはいかないでしょう。

 平成二十二年八月十日内閣総理大臣談話
http://www.kantei.go.jp/jp/kan/statement/201008/10danwa.html

 あまりまじめに論評する気になれない作文ですが、要するに未来永劫、謝り続けるという声明ですね。隙あらば、日本人の財産を献上するという決意がありありですね。

 それとも
「民主主義や自由、市場経済といった価値を共有する最も重要で緊密な隣国同士となっています。それは、二国間関係にとどまらず、将来の東アジア共同体の構築をも念頭に置いたこの地域の平和と安定、世界経済の成長と発展、そして、核軍縮や気候変動、貧困や平和構築といった地球規模の課題まで、幅広く地域と世界の平和と繁栄のために協力してリーダーシップを発揮するパートナーの関係です。」の部分は暗号ですか?

日本と韓国は価値観を共有している⇒共有していない中国や北朝鮮を抹殺する?
将来の東アジア共同体⇒大東亜共栄圏復活?
この地域の平和と安定、そして、核軍縮⇒ならず者国家北朝鮮の解体?
世界経済の成長と発展⇒特アの手先、白方明(パクホンミョン)の銃殺?・・・おっと一文字脱字で雰囲気が。

 知り合いの韓国人に会ったら言いましょう。
 戦争の直前には土下座してでも油断させるものでしょう。だからあんな馬鹿な談話を出したのです、と。

 ちなみに正しい歴史認識を知りたい方は、

『総図解 よくわかる日本の近現代史』


(新人物往来社、税込1470円)

好評発売中です。


2010年8月9日(月曜日)

本当の名前

カテゴリー: - kurayama @ 10時38分36秒

 仙台吉野作造研究会で出張でしたので、更新できませんでした。あと猛暑で疲弊して。。。ソ連の裏切り記念日だったり、長崎大虐殺の日だったり、不快な日が続きますね。それはさておき、毎月やることになりました。インテリ率が恐ろしく高い会でした。

 海を隔ててアメリカと中国にはさまれている日本、真っ平らな平原でドイツとロシアにはさまれたポーランド、どちらが不幸か。もちろんポーランドである。などという話で盛り上がりました。ポーランド、長らく国の名前ではなく、秘密結社の名前でしたから。

 聴衆としてきていただいたドイツ文学のT先生と以下のような文句を口ずさんでおりました。

 本当の名前は北方領土と言う。それを奴らはクリル諸島と呼ぶ。

 本当の名前は竹島と言う。それを奴らは独島と呼ぶ。

 本当の名前は尖閣諸島と言う。それを奴らは釣魚島と呼ぶ。

 本当の名前は満洲と言う。それを奴らは中国東北と呼ぶ。

 本当の名前はチベットと言う。それを奴らはチベット自治区と呼ぶ。

 愛国舎の皆さん、他にも考えて広めてください。

 

 


2010年8月6日(金曜日)

広島大虐殺の日に

カテゴリー: - kurayama @ 14時45分54秒

 8月6、8、9、15日と、これでもかと不愉快な日が続きます。
 皆様、如何お過ごしでしょうか。

 さて、本日は広島大虐殺の日です。

 広島大虐殺を定義しましょう。
 アメリカ合衆国による日本国民に対する昭和20年8月6日に広島県広島市で発生した非人道兵器である原爆による無差別大量殺人のことです。
 約20万人が殺されているので「大」をつけて問題はないでしょう。人類史上、一瞬にして殺された人数の最大値ですから。これを「大」と言わなければ何を「大」というのか。
 なぜか歴史学界では「主観的表現」と退けられますが。歴史の教科書に平気で、あったかどうかもわからないような事件に「南京大虐殺」とか使っているくらいなので、まったく問題ないでしょう。まさか、日本人を殺すことだけは虐殺ではないとか、何人殺してでも構わないとか言わない限り。
 で、民間人を無差別攻撃する時点で国際法違反で、しかも非人道兵器の原爆を使ったのですから、二重の国際法違反ですね。

 20世紀の大量殺戮者として、ヒトラーだけでなく、スターリンと毛沢東を絶対にあげるべきであるし、フランクリン・ローズベルトやトルーマンも加えるべきでしょう。

 戦争中のイラン人とイラク人が口を揃えて言いました。
「日本人は最低100年、アメリカを許すべきではない!」
 インドとパキスタンが唯一意見が一致すること。
「日本みたいに原爆を一方的に落とされたくないから核武装する!」

 諸外国から見れば日本は恐ろしい国に見えるに違いないです。
 日本人が世界に発信しているメッセージはどう受け取られるかを翻訳しましょう。

「過ちは繰返しませぬから」
⇒前回は負けたが、今度は必ず勝つ!

「私たちは核兵器を永遠に許しません」
⇒使ったアメリカ人を永遠に許しません。恨み続けます。

「ノーモアヒロシマ」
⇒今度はやられないように核武装します。

「日本は世界で唯一の被爆国です」
⇒だから、核保有する権利が世界で誰よりもある。文句があるなら落とすぞ!

「10年以内に核の無い世界を実現します」
⇒核保有国の北朝鮮の寿命は10年以内だ!ついでに中国も覚悟しろ!
 ※この場合、中国と書いて「チャンコロ」と読みます。

とどめに菅首相
「非核三原則は守るが、核抑止力も否定しない。」
⇒アメリカを骨の髄まで利用しつくしてしゃぶりつくしてやる!

 そうです。平和憲法の理念とは、恐るべき復讐と制裁の暗号だったのです。アメリカを利用して周辺諸国を制圧し、最後にアメリカを滅ぼす陰謀だったのです。その隠れ蓑が「被害者である」という歴史的事実です。
 私のような気弱な人間にはついていけませんが、日本の大勢がそうだから仕方が無い。
 
 最後に小野田寛郎さんの言葉を。

日本は戦争に負けたんじゃない!

負けたふりをしているだけだ!

「日本は戦後民主主義、平和憲法などと称して、世界を欺き続けた。」
死ぬまでに教科書に書きたい一文です。

 私は穏健派なので、平和憲法護持・非核三原則法制化・広島の悲劇を世界に伝えよう、などという過激な侵略思想には与しません。小野田さんのような考えで、穏健に日本の保守を考えているだけです。別に今すぐアメリカに喧嘩を売ろうとは思いませんので。

 なお、原爆投下に関してコンパクトに必要な知識をお知りになりたい方は、

『総図解 よくわかる日本の近現代史』


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2010年8月5日(木曜日)

河合栄治郎の話

カテゴリー: - kurayama @ 23時58分38秒

 最近の健康法。『総図解 よくわかる日本の近現代史』を褒めて貰う。
 お二方からリクエストがあったので、河合栄治郎の話を。

 私が歴史上の偉人であり、弁論人としての先輩である河合を知ったのは大学四年生の時です。
 ちょうど、進学が決まった直後です。
 安保闘争直前の左翼演劇に「長い墓標の列」という作品があるのですが、
これが河合と弟子でありながら裏切った大河内一男(戦後、東大総長に出世)の葛藤を描いた秀作です。
 形式的な権威にしがみつく東大当局と権力に媚びて保身をはかる大河内、
 学者の良心と自由主義者としての信念を懸命に守りながらもどこか滑稽な河合、
 その両者をどこか覚めた目で見ている観客(つまり学生)の視点を、
戦時下の雰囲気を忠実に再現しながら描いています。
 権力の横暴ですべてをとりあげられながら、
「わしから勉強だけはとりあげないでくれぇ」と絶叫する描写は泣けます。
 もちろん、演劇ですので誇張もあり、かつ描かれていない面もあるので、私もその後の研究で補強はしているのですが、学者たるものどうあるべきかについては考えさせられます。
 人間はどこまでやれば勉強のしすぎで死ねるか?とか。
 私は母校の図書館で脚本を読んだだけなのですが、学者志望の学生は必読です。
 一日十八時間睡眠以外は勉強!の生活を三年間続けろ、とかは言いませんが。

 河合の負の面も含めての伝記としては、弟子の江上照彦『河合栄治郎教授』が基本書です。
 あと松井慎一郎『戦闘的自由主義者河合榮治郎』などは、「河合こそ吉野作造の後継者である」という私と同じ問題意識の著述です。

 吉野も河合も、左右の全体主義であるファシズムとコミュニズムの両方を敵に回して命懸けで戦った言論人です。
 吉野は事実上の一高東大弁論部の創設者であり、河合はその全盛期の部員です。
 思想史のコラムで吉野と河合を続けているのは、その彼らが訳のわからない言論空間の発生により抹殺されていく時代状況を描くためです。
 河合というと、「自由主義的社会主義的民主主義」とかを唱えていたので、「左翼?」とか思われるのですが、戦後の民社党の思想的源流です。というか、河合の弟子たちが民社党を作ったのです。自民党なんかよりはるかに右です。
 つまり今風に言うと、真正保守です。

「今までの歴史教科書って何だったのか」という重要な問いかけへの回答にもなるのですが、

一、国家にも政府にも批判的な勢力・・・本物の共産主義者、実は少数派。
二、国家に批判的で政府に従順な勢力・・・戦後の学界と官界、実は多数派。
三、国家と政府を区別無く弁護する勢力・・・戦後の保守論壇。時代が後になるほど増加。

に対して、

四、国家を愛するがゆえに、政府を批判する勢力・・・吉野や河合ら真の大正デモクラット。

がどんどん少数派になっていく過程が近代日本の思想状況です。

 河合は、統制経済を主唱した同僚の土方という教授と大喧嘩して東大を馘首になります。
 というか、それを口実に追放されたわけです。政府の無能な支那事変遂行を批判していたのでこれ幸いと河合を東大から追放したのが、戦艦大和の設計者である平賀譲総長なのですが、平賀の技術者としての貢献と総長としての力量はまったく別です。
 政府を批判した愛国者を追放し、社会的抹殺するのに加担する。
 これが大学や学者としての自殺でなくしてなんでしょうか。
 しかも大義名分が「喧嘩両成敗」という思考停止。
 昔、戦艦大和を作った平賀さんと対立した河合は左翼だ!とか言われて本気で切れたことがあるのですが、自由とは何かを考えないで形式的な官僚主義に走ることが保守なのでしょうか。

 あ、そうそう、河合の追放劇に関しては立花隆が『天皇と東大』で「何を今更」なことを書いてます。
 河合追放事件により、東大は大学ではなくなった、とか。
 ちなみに、本物のUniversityがどういうものかは、「緒方洪庵」のコラムをお読みください。あわせて小野先生の「江戸の知識人」も。
 帝国大学よりも(もちろん今の大学よりも)、私塾とか藩校の方がよほどUniversityです。

 無能官僚による全体主義と亡国共産主義者、実は根っこは同じです。
 自由主義者の敵であるという点で。

 私の最近の学術的な仕事は吉野作造こそ国家主義者(=健全な保守主義者)であるというものです。その隣接分野として河合も研究していた次第で、その成果の披露となりました。
 さらなるご感想お待ちしています。


2010年8月4日(水曜日)

日本はギリシャになりません(後編)

カテゴリー: - kurayama @ 00時16分23秒

 本題。
 政治的にギリシャってどんな国か?
 手元の年表から目立ったところを拾いましょう。

1831年10月09日 カポディストリアス・ギリシャ初代大統領、暗殺。
 大司教を「クリスチャンのトルコ人」、軍指導者を「追い剥ぎ」、知識階級を「たわけ者」、と呼ぶなど、軽蔑をあからさまにしたため、だそうです。建国二年目でこれです。

1832年 ギリシャ、「英露仏三ヶ国の保証する世襲制の君主国」に。
 バイエルン王の次男、オットー(17歳・カトリック教徒・ドイツ語以外にはラテン語が少々)が国王に。王様を輸入してきました。日本人なら絶対に受け容れないでしょう。
 以後、王制派と共和派の二大党派による政権交代が100年続きます。こんな政権交代、絶対いやだ。。。

1853年 クリミア戦争。
 ギリシャは中立を強要されるも、ゲリラとして山賊と学生が活躍。だそうです。
 日本よギリシャになれ?仙谷自治労さんも学生運動ならこれくらいやらないと?
 普天間ごときであたふたする日本人には想像すらできない。山賊と学生が同列ですか・・・

1940年10月28日 イタリア、ギリシャに進攻。ギリシャはアルバニアに報復。
 関係の無い所で騒ぎを広げるのが、バルカン半島です。
 ちなみに、ギリシャはムッソリーニのイタリアに勝ってしまい、ヒトラーが介入する羽目に。
 このために、ドイツはソ連侵攻が遅れてしまったとか。
 その時、世界史が動いた?というより、何をやっても迷惑をかけるのがバルカン半島。

 冷戦期は、一応西側陣営に属しますが、最も親ソ的な国で、常にトルコを挑発し続けます。
 これを調整したのが、ユーゴのカリスマことチトー元帥。「ユーゴ・トルコ・ギリシャ三国同盟」などという、空前絶後の奇策で何とかごまかしますが、キプロスでは希土代理戦争。
 NATO諸国もギリシャが裏切ると大変なので人の良くて文明的なトルコに常に泣いてもらう。
 これぞ欧州名物、

喧嘩トルコ成敗!

 冷戦最末期には、
1987年03月27日 エーゲ海事件。
 トルコと武力衝突寸前になります。この紛議、10ヶ月続きます。

 やっとソ連が滅んだと思ったら、今度はユーゴ紛争。そこでユーゴからマケドニアが独立。
1992年01月10日 ギリシャ、マケドニアの国名使用に反対。
   02月24日 ギリシャのテッサロニキで集会。
        三大政党に支援された30万人の市民がマケドニアの国名使用に反対の集会。
        「アレクサンドロス大王の子孫である我々は…スコピエの歴史捏造者達…
        人権の天国であるギリシャで…」と、歌と踊りの集会として幕。
1994年02月15日 ギリシャ、国名問題でマケドニアを経済制裁。
…EU、ギリシャを批判。
                →1995年10月、米国の仲介により、国境封鎖を解く。

 ドラえもんにジャイアンという理不尽なガキ大将が登場します。
 主人公ののび太君に「のび太のクセに生意気だぞ!」と決め台詞を吐きます。それでも如何にジャイアンと言えどものび太がのび太である権利は否定しません。
 しかし、ギリシャは「マケドニアを名乗ることは許さない!」と周辺諸大国や国連にまで認めさせます。
 恐るべし、ギリシャ。そういえば、宮沢賢治の童話にこんな話ありましたね。

 それどころか、激化するユーゴ紛争の最中に。。。
1994年07月07日 ギリシャ、アルバニア国境で銃撃戦。
 無関係なところで騒ぎを起こす。バルカン半島の法則です。
 ちなみにここまで言っといて何ですが、このアルバニアと言う国、ギリシャがまともに見える国です。

 そのアルバニアがねずみ講で政府が崩壊した腹いせで起こしたのがコソボ紛争。もはや「我らがギリシャ様」と呼びたくなるギリシャは、、、

1999年05月22日 ギリシャ、トルコ軍機の通過拒否。
   06月07日 ギリシャ、米海兵隊の上陸を拒否し立ち往生させる。
   06月10日 米海兵隊、何とかギリシャに到着。

 欧米が結束してセルビアのミロシェビッチを叩いている時にこの所業。
 確かに、アメリカとしては極東有事で日本がギリシャになったら困りますねえ。
 ギリシャの主張は「俺の心の友のミロシェビッチを攻撃するのに、トルコと協力しろだと?だったらもっと金をよこせ!」です。
 ちなみに、日本は駐留米軍に思いやり予算などとわけのわからない金を払っていますが、ギリシャは「土地を貸してやるんだから、地代を払え!」と法外な金額を法外なやり方で請求します。
 むしろこれは日本が異常でギリシャが普通です。
 日本の愛国者の皆さん、各自瞑目しましょう!

などと、右とか左とかを超越した究極の事件が以下。

1999年07月12日 ギリシャ・アルメニア・イラン同盟、延期。
 コソボ紛争で世界の指導者(含・高村正彦外相)は「世界大戦になる」と危機を感じていました。その最中にこんな陰謀が。。。
 つまり、バルカン(ギリシャ)紛争を、コーカサス(アルメニア&イラン)、中東(イラン)、そして東アジア(イランは北朝鮮に接近中)にまで広げようとしていた訳です。当時の米国大統領のフリントン(ん?何か誤植が。。。)、あわててとめました。

 結論。
 日本はギリシャになりません。
 というか、なれる訳が無い。なれるものならなってみろ。

 バルカンネタは、普通に年表で事実をそのまま読んだり書いたりしているだけで頭がおかしくなれるので、嫌な事を忘れたい時に最適です。


2010年8月3日(火曜日)

日本はギリシャにはなりません(前編)

カテゴリー: - kurayama @ 23時58分39秒

 増税真理教の呪文。
 日本は消費税増税をしなければ財政破綻をしてギリシャのようになってしまう!
 ギリシャは借金の担保に、観光名所の島を売ろうとまでしている。。。
 愛国者ならば消費税増税に反対できないはずだぁ!

 クルーグマン先生の筆法に寄れば、全員銃殺?
 私は穏健な自由主義者なので、徹底論破した上で黙らせるという吉野作造的手法しかできませんが。

 ところで、ニコニコ動画に松原仁先生の予算委員会での質問がアップされてましたね。
 全部見ましたが、仙谷・白川の「自治労・日銀枢軸」に完全に喧嘩を売ってます。
 霞ヶ関など玄人筋では驚愕の質疑だったようです。「これ与党の質疑か」って。
 自民党なんてどうでも良いから、民主党内反主流派の動向を広めてほしいです。
 ちなみに松原さんが小沢派とか、デフレ脱却議連が小沢別働隊とか、出所不明の報道やネット情報が流れています。基礎的な事実なので確認ですが、松原さんの本籍地は旧民社党です。選挙の支持母体みれば明らかでしょう。デフレ脱却議連の四割は、財政再建議連とかぶっているので(つまりそれだけ谷垣並みのアホが多い)、まったく意味がない議論です。議連って中核の議員だけを見るものなので。
 もうひとつ。意味不明に小沢神話を流布させる人がいますが、何の目的で?
 私は小沢さんが望む政策をやってくれるなら支持します。それは何度も書きました。では小沢さん、輿石をどうやって切るの?輿石が、仙谷と小沢を天秤に書けるような形勢なら、無難に菅続投でよいのでは?枝野・安住・千葉の首を差し出して終わりでしょう。

 閑話休題。
 まずは経済学的に、増税真理教の誤りを列挙。

一、ギリシャの国債は外債。日本のは外債など約5%。それくらい、一瞬で払える。
  というか、日本売りにきたら、借金の負担感が減るのでは?
二、ギリシャの通貨はユーロ。金融政策の自由がない。
  それに対して日本の国債は全部、円。いざとなればお札を刷れば良い。
三、公務員天国。国民の25%。毎日半ドン。自治労の羨む労働者貴族の天国。
  というか、ほとんど社会主義国。一緒にするな!
四、ギリシャはオリンピックが来るよりも早い頻度でデフォルト危機を起こしている。
  「契約」とか「約束」とか「法の支配」の概念が怪しい。一緒にするな!

 他にも色々あったような気がしますが、誰か指摘してください。とりあえず経済学的にはこれにて。本題は長いので、後編で。


白川銃殺と総力戦研究所

カテゴリー: - kurayama @ 01時14分40秒

 今週の週刊現代、立ち読みして爆笑しました。

白川日銀総裁を銃殺せよ!

 ノーベル経済学賞のP・クルーグマン教授のインタビューです。
 13年連続でデフレ不況を続ける中央銀行総裁など、「銃殺」すべきだそうです。
 さすが、その道を極めた人はいうことが違う。
 私など甘い、甘い。

 予算委員会、松原さんの後も見ていましたが、ダラダラしながらも見所だけはありましたね。
 うとうとしていたら、石破自民党政調会長がかの「内閣総力戦研究所」について言及。
 要するにシンクタンクが大事だと言うことらしいです。与野党一致で実現して欲しいです。もちろん、私も参加させて!笑
 私の理想は、陛下の与党と野党とにそれぞれ昔の内閣総力戦研究所のようなものがあって、研究交流が今の台湾と大陸並みにあるような形式です。

 良い機会なので公言しておきますが、私のライフワークの一つです。

内閣総力戦研究所の復活!

 いずれ詳しくお話しします。
 昭和一六年夏に日米模擬戦(シミレーション)を行い(ほとんど的中したのに)、近衛内閣はまったく賛成しなかったという伝説の組織です。

 で、石破さんに一つ事実誤認。
「原爆とソ連の参戦以外ほとんどそのまま当てた」と述べられましたが。原爆は昭和一六年夏には存在しないのでしかたないですが、ソ連の参戦は的中しています。もう一つ当てられなかったのは、真珠湾攻撃です。

 彼らがなぜ当てられなかったかは、今月の『歴史読本』の私のコラムをどうぞ。笑
 一言で言うと、

山本五十六が馬鹿すぎた

からです。内閣総力戦研究所は、当時の日本最高の若き俊才を集めていますので、山本五十六如き既に耄碌していたとしか思えない老人の考えることなど想像できません。
 え、あの名将と言われた?と思われた方。かなり騙されています。
 定跡をはずすのは名将ですが、中途半端にはずれるのは愚将です。

 三つのコラムを担当したのですが、要約すると、

 東郷平八郎と山本権兵衛の関係は政軍関係の理想だが、どんどん薄れていく。

 ロンドン会議での条約派と艦隊派の対立なるものは「日米開戦の原点」でも何でもなく、空気が読めない老人たちのポジショントークの応酬にすぎない。

 真珠湾攻撃は、バクチ打ちの山本五十六が部下の作戦を中途半端に採用したので意味不明な結果になった。

です。

『総図解 よくわかる日本の近現代史』


(新人物往来社、税込1470円)

ともども、宜しくお願い致します。


2010年8月2日(月曜日)

明治外交史におけるドイツ要因

カテゴリー: - kurayama @ 14時21分21秒

 まず速報。

 白川総裁、不況への日銀の責任を認めず 衆院予算委で
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100802-00000530-san-pol

 今朝の予算委員会で、松原仁衆議院議員が質問。「日銀に現在の不況の責任の一端を感じないのか?」

 白川法王の答え。

わかりません!

 松原先輩、別に私のように「白川おまえ一人が悪いんだ」と聞いているわけではないのですよ。それでも「はい」と言えない体質。「私は人でなしです」と告白したようなものです。それにしても、法王の疫病神顔、何とかならんのかなあ。

 

 さて、仙台竜三さんがブログでとりあげてくれました。ありがとうございます。

http://www.pacs.co.jp/~chijin/

 「ビスマルク、ウィルヘルム二世を見ないと日露戦争開戦の経緯が浮かび上がらない」という点をとりあげていただいております。

 今の日本史の本だと、ドイツ要因というのを無かった事にしています。それどころか、「ウィッテの回顧録に書いてることは全部事実だ」とか、「日露戦争は避けられた戦争だ!日本人は愚かで野蛮だぁ」というのが、学界の通説になっているので。通説というか、一人の声の大きい教授に対して、白川法王なみに気が弱いくせに自己防衛本能だけは十人前みたいな連中が、唯々諾々と右へ倣えしているというのが実情ですが。あ、その「声の大きい教授」の名前は、この砦に時々書き込んでくれている久野潤先生にお聞きしてください。笑

 で、本書のコンセプトは、日本史に限らず隣接分野も含めた学界の最新研究は取り入れつつ、退化しているところは無視してかつてのまともな説を採用する、という方針でした。

 戦後の中山治一先生(西洋史)とか、戦前の田村幸策先生(国際法)の本から入った私にしては、ドイツ抜きに明治日本しかも外交史が語れるはずがないという考えですので。日本外交史でも鹿島守之助先生なんかは当たり前のようにドイツ要因で語っていましたから。というか、鹿島先生はビスマルクに詳しすぎると言う説も・・・。

 断言しますが、明治外交史などは研究を重ねれば重ねるほど退化している分野です。もちろん一部の優れた研究の成果は採用していますが。

 本書でも、

「陸奥宗光は干渉されるのをわかっていたからあえて遼東半島を要求した」

「三国干渉の黒幕がドイツなどと明治政府はすぐに気付いた。しかし黙っていた」

などの、一次史料を読めば一発でわかるが、日本史の教科書を読めば読むほどわからなくなるという点にも触れています。

 答えを知りたい方は、どうぞ。

『総図解 よくわかる日本の近現代史』

(新人物往来社、税込1470円)

好評発売中です。

 長くなりましたので、夏目漱石の話はまた別に。


2010年8月1日(日曜日)

大感謝の日

カテゴリー: - kurayama @ 23時59分04秒

 昨日は、竹田研究会@京都でした。
 もろもろお気遣いをさせてしましました。
 この御礼はさせていただきます。
 なんてイイ人なのだろう。と公開感謝。

 本題の方ですが、前座でお話させていただきました。
 もちろん竹田研究会ですので中心は竹田先生のコラムです。
魔王宮」と「大正天皇」の分をご紹介させていただきました。

魔王宮」って誰?と思われた方にこそ、読んでいただきたいです。
 幕末の皇族では、有栖川宮とともに最重要人物です。
 ちょっとやそっとネットで検索してもどういう方かよくわからないと思いますので、是非どうぞ。

『総図解 よくわかる日本の近現代史』

(新人物往来社、税込1470円)

 好評発売中です。

 もう一方。
 国士舘の同僚の安重千代子先生のブログで御紹介いただきました。
 ありがとうございます。
http://ameblo.jp/c-anju/entry-10606891740.html#cbox

 とりあげていただいた論点は三点ですので、則してご紹介させていただければと思います。

一、シベリア出兵などという戦争は存在しない!
 教科書だと、「第一次大戦中にチェコ軍救出のために出兵し、得るところなく撤兵した」
とか、何が何だかよくわからないことを書いていますね。

 青島攻略は第一次世界大戦の一部です。
 もっとわかりやすく言うと、「真珠湾攻撃」は第二次世界大戦の一部ですよね。
 全体の中の一部として語らないと訳がわからないですよね。
 同じように、「シベリア出兵」だけ独立した戦争として扱っても意味不明なのです。
「ロシア革命干渉戦争」という言葉を聞いたことがない人は、本編をどうぞ。「共産主義をぶっ潰せ!」という戦争です。シベリア出兵はその一部です。昔の左翼は知ってて隠してましたが、今のサヨクは本当に知りません。
 なぜ英仏はさっと切り上げ、日本だけ延々と残っていたかは本編をどうぞ。

二、共産主義とは
 随所で「こいつらのやったことは人殺しです」という当然の事実を書きました。
 日教組教師とか怒り狂うでしょうが、
「600万人殺したヒトラーよりもスターリンや毛沢東の方がはるかに殺しているのだけは確かである」
とはっきり書いておきました。
 あと、普通の教科書は「冷戦は西側陣営の完勝である」ということと、
「東アジアでは、冷戦構造は全然終わっていない」ということを書きませんので、書いておきました。;

三、拉致問題
 大体、「世界の中の日本」「未来への現代日本の問題を考えよう」などと言いながら、拉致問題で締めないのはおかしいでしょう。
「九.一七」で日本人は変わりましたから、そこから現代史がはじまる、という史観です。

 ご興味のある方は、御一読をどうぞ。
 ご感想お待ちしてます。


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