右肘手術の藤川が会見　「強くなって帰ってくる」

　右肘の内側側副靱帯（じんたい）修復手術が決まった藤川球児投手（３２）が２９日、記者会見し、復活への意欲をにじませた。術後の復帰は通常１年かかるため今季絶望となったが、共同電などによると、「前向きにプレーした結果。初めての大きな故障だが、今より強い状態で帰ってきたい」と前を向いた。

　深刻な事態にも冷静だった。４月に右前腕部の張りでＤＬ入り。５月１０日に一度は復帰したが、２６日のレッズ戦で再び異常を訴えて降板。メジャー１年目で迎えた試練に「この競技をやっている以上、考えられること」と静かに話した。

　自身にとっても、チームにとっても痛手だ。２年契約の藤川だが、一定の出場数をクリアすれば、自動的に１年延長されるはずだった。だが、今季をリハビリに費やすとなれば、条件クリアは容易ではない。チームとしても抑え候補の右腕が離脱し、スウェイム監督は「大きな打撃だ」と首を振る。

　今季は１２試合に投げ、１勝１敗２セーブ。物足りない数字のまま離れるが、通称トミー・ジョンと呼ばれる手術の後に球速がアップするケースもある。「前向きにとらえるしかない」。今は焦らず治し、再起にかける。