政治【正論】防衛大学校名誉教授・佐瀬昌盛 内と外の「二枚舌」要らぬ憲法を+(1/4ページ)(2013.5.31 03:07

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【正論】
防衛大学校名誉教授・佐瀬昌盛 内と外の「二枚舌」要らぬ憲法を

2013.5.31 03:07 (1/4ページ)正論

 自分の知力、気力、体力が最も盛んだった時期を、私は防衛大学校で過ごした。当初、防大生は街で「税金泥棒」とか「憲法違反」とかの罵声に耐えねばならなかった。猪木正道学校長時代、これらの罵声が不当であることを防大生に納得させるため、新入学生に憲法学習の時間が設けられた。私はそれを担当しなかったが、自分の考えを纏(まと)める必要があった。言うまでもなく、最大の問題点は現行憲法の第9条であった。

 ≪護憲派は「憲法文言墨守派」≫

 「いわゆる護憲派」全盛の時代だったので、対外的発言には細心の注意を要した。開口一番、「私は護憲論者です」と名乗る。聴衆は怪訝(けげん)そうな表情。次に「護憲論者だから改憲が必要と考えます」と私。聴衆は???だ。そこで私。「第96条には憲法改正に関する規定があります。改憲は禁じられていません。だから、護憲と改憲は矛盾しません」。そして「いわゆる護憲派」は実は「憲法文言墨守派」に過ぎない、と結ぶ。

 昨今はさすがに「憲法一字一句墨守派」は減った。昔日の「墨守論者」たちは9年前に「九条の会」へと戦線縮小した。それに参画した憲法学者、奥平康弘東大教授は「この会のターゲットは9条一本に絞って、改定に対する反対の声をあげていこうというものです」と語った。一点墨守論だ。

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