維新の会:橋下氏慰安婦発言、撤回せずで一致
毎日新聞 2013年05月19日 22時10分(最終更新 05月19日 23時33分)
日本維新の会の橋下徹、石原慎太郎両共同代表は19日、名古屋市内のホテルで協議し、旧日本軍の従軍慰安婦を巡る橋下氏の発言を撤回しないことで一致した。これに先立ち、みんなの党の渡辺喜美代表は19日、東京都内で記者団に、参院選での維新との選挙協力について「解消にいかざるを得ない。一緒に組むべき相手ではない。関係を断ち切る」と明言。発言を撤回しない橋下氏の対応を「言語道断だ。常軌を逸している」と激しく批判した。
維新の幹部協議には松井一郎幹事長らも同席した。松井氏によると、石原氏は橋下氏の発言に「意味はよく分かる」と理解を示した。橋下氏は「誤解を生むような発言があったことは申し訳なかった」と陳謝し、「丁寧に説明していく」と語ったという。第二次世界大戦の歴史認識を巡っては、橋下氏が周辺諸国への侵略だと主張したが、石原氏は受け入れず、党見解はまとめないことになった。
みんなの党は橋下氏の発言撤回を求めていたが、松井氏は記者団に「説明責任を果たす。それをやっているし、これからも続ける」と応じない方針を表明。維新からの回答前に渡辺氏が選挙協力解消を宣言した形になり、松井氏は「橋下もこれでおしまいだ、弱ったやつと組む必要ないという話なんですかね。明日回答しようと文案を考えていたが、そういうことならいい。無理やりお願いして一緒にやっているわけではない」と不快感を示した。
両党は参院選へ向け改選数1〜3の選挙区で候補者のすみ分けに合意。3人区は愛知、埼玉でみんな、千葉で維新が擁立し、改選数4の大阪では両党が1人ずつ擁立することを決めていた。渡辺氏は千葉など一部の選挙区に対立候補を立てる可能性も示唆した。
橋下氏は19日の幹部協議前、テレビ朝日の番組に出演し、慰安婦発言について「僕が必要(と思っている)とは言っていない。世界各国が当時必要としていたという事実を述べた」と改めて釈明。渡辺氏は記者団に「言い訳を100万べん繰り返しても国民は理解しない」と語った。【林由紀子、駒木智一、木下訓明】