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東北大前総長論文不正訴訟 初の本人尋問

 東北大の井上明久前総長の論文に不正があると告発した教授グループに「名誉を傷つけられた」として、井上氏が1650万円の損害賠償を求め、教授グループ側が反訴して2488万円の賠償を求めた訴訟で、井上氏の初の本人尋問が27日、仙台地裁であった。
 井上氏は一定の手法で直径30ミリの円柱金属ガラスを作製したとする論文について「世界一の大きさではなかったので、(論文執筆の経緯に)特別な注意を払った記憶がない」と述べた。
 論文は1996年に発表され、井上氏は当時、「作製は円柱金属ガラスの将来の発展にとって大きな意味を持つ」と記述。同氏がこの分野の研究で世界的に高く評価されたとして2002年、日本学士院賞を受賞した際も主な業績の一つとされていた。
 教授グループ側は「論文にある金属ガラスの質量の測定が不正確だ」と疑問を呈していたが、井上氏は「実験は共同研究者がした」と主張。地裁が尋問内容を「本人が経験したこと」に制限したため、実験の詳細は明らかにされなかった。
 不正があると告発された別の論文をめぐり、井上氏の共著者で原告に加わった研究者は昨年5月、「科学的根拠が必ずしも十分ではない状態で発表した」と説明し、訴えを取り下げている。井上氏はこの点について「同意しない」と証言した。
 訴訟は次回の6月24日で結審の予定。


2013年05月28日火曜日


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