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東通原発の防潮堤 本体設置工事が完了 東北電力
 | 本体の設置工事が完了した高さ3メートルの防潮堤 |
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東北電力は29日、東通原発(青森県東通村)の津波対策として建設していた防潮堤(高さ3メートル、長さ2キロ)の本体設置工事が完了したと発表し、現場を公開した。 防潮堤は東京湾平均海面を基準に、高さ13メートルの敷地に設置され、堤体の上端は16メートルとなった。津波が防潮堤を越えた場合に備え、堤防の27カ所に敷地内から海水を排出する設備を設けた。 東北電が行った津波影響評価では、同原発で想定される津波の最大遡上(そじょう)高を10.1メートルと試算した。青森県が公表した太平洋側の津波浸水予測では11.6メートルとなっている。 同原発の鈴木一広副所長は「現時点で想定される津波は防ぐことができる。新たな知見を取り入れながら、より安全な方向に努力していきたい」と述べた。 福島第1原発事故を踏まえ、東北電は2012年3月に高さ2メートルの防潮堤設置工事を始めた。その後、新たな津波影響評価の結果と地盤沈下を加味し、当初計画から1メートルかさ上げした。 同社は29日、原子炉格納容器の圧力上昇を防ぐフィルター付ベント(排気)装置の設置工事も始めた。15年3月の完成予定。
<女川原発ではかさ上げ着手>
東北電力は29日、女川原発(宮城県女川町、石巻市)の新たな津波対策として、敷地内の防潮堤を現在の高さ約3メートルから約15メートルまでかさ上げする工事に着手した。敷地の海抜(約14メートル)を含めると高さは約29メートルとなり、国内の原発施設の防潮堤では最大級の高さになる見込み。2015年度内の完成を目指す。 新たな防潮堤の総延長は約800メートル。既存の防潮堤の内側に直径2.5メートルの鋼管を180本打ち込み、コンクリート製の遮壁で覆って浸水を防ぐ。原子力規制委員会が7月にも導入する新たな規制基準への対応を図る。建設費は非公表。 同日は現地で安全祈願祭があったほか、資材搬入などに向けてバリケードを設置した。 東北電は東日本大震災で東京電力福島第1原発を襲った津波(高さ15メートル)を想定し、昨年4月、敷地に高さ3メートルの防潮堤を整備した。新たな災害シミュレーションで最大津波が高さ23メートルに及ぶことが判明したため、かさ上げを決めた。
2013年05月30日木曜日
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