「ワールドスター」PSY(サイ、35)がイタリアのサッカースタジアムでブーイングを受けた。
PSYは27日(韓国時間)、イタリア・ローマのスタディオ・オリンピコで行われた2013コッパ・イタリア(正式名称TIMカップ)の決勝戦前に自身のヒット曲「江南スタイル」を歌った。招待歌手として特設ステージに立ったPSYは、ノリノリで「乗馬ダンス」を踊ったが、スタジアムを埋め尽くしたサッカーファンの反応は冷たかった。パフォーマンス中はチームの応援歌を歌ったり爆竹を慣らしたりしていたが、PSYの歌が終わると一斉にブーイングを浴びせた。それでもPSYは慌てることなく「サンキュー」と言ってステージを降りた。
PSYはイタリアをはじめ欧州でも爆発的な人気を誇るスターだ。昨年11月、ローマのポポロ広場では約3万人が「江南スタイル」を歌い踊るフラッシュモブ(大勢の人たちが同じ場所で一斉に行うパフォーマンス)を行った。ミラノのドゥオーモ広場でも約2万人がPSYの歌を楽しんだ。
ところが、この日スタジアムに来た人々はライブ公演を楽しむムードではなかった。決勝戦で対戦したのは、ローマを本拠地とするライバルのASローマとSSラツィオ。両チームが対戦する「デルビー・デッラ・カピターレ(首都ダービー)」は乱暴で悪評高い。1979年にはラツィオのファンが花火で死亡する事故があったほか、2004年にも観客席で暴動が起き、試合が中断された。
また、今回は両チームがイタリア最大のトーナメント・サッカー大会決勝戦で対戦することになったとあって、いつもにも増して緊張感が漂っていた。プライドが高く保守的なことで有名な両チームのファンは、サッカーと関係のないPSYのライブ公演に不満を抱いていたという。PSYはこの日、イタリアのメディアとのインタビューで「ライバルチーム同士の試合ということで、ファンの雰囲気も理解できる」と語った。
地元メディアなど一部には「PSYに対する人種差別的なブーイング」という見方もある。両チームのファンは人種差別的な行為をすることで知られている。今月12日にイタリアのプロサッカーの試合では、ASローマのファンが相手チームの黒人選手をばかにする歌を歌ったため、ゲームが中断された。