関西空港で覚醒剤を密輸したとして、覚醒剤取締法違反(営利目的密輸)などに問われた会社員の女性被告(28)(名古屋市)の裁判員裁判の判決で、大阪地裁(島田一裁判長)は29日、「一方的に運び役に利用された可能性がある」として、無罪(求刑・懲役12年、罰金600万円)を言い渡した。
被告は昨年5月、ウガンダからドバイ経由で関西空港に到着した際、スーツケースからコーヒー豆の袋に入った覚醒剤約7・8キロが見つかり、逮捕、起訴された。
被告は、捜査・公判を通じて「交際相手のウガンダ人がスーツケースにコーヒー豆を入れたと思っていた」と説明。覚醒剤との認識はなかったと無罪を主張した。
島田裁判長は、男性とウガンダを旅行中、急に1人での帰国を促され、男性が荷物を詰め直していたことを指摘。被告が同空港の税関検査で提出書類にコーヒー豆をどう記載するか尋ねていた点も踏まえ、「密輸の故意があったと認めるには疑いが残る」と述べた。