都議選:維新とみんな、泥試合の様相…一本化を白紙に
毎日新聞 2013年05月30日 10時40分(最終更新 05月30日 11時08分)
参院選の選挙協力を解消した日本維新の会とみんなの党は、東京都議選(6月14日告示、23日投開票)でも協力関係から一転、対決姿勢を強めている。維新側は、みんなの候補との一本化で調整が済んでいた選挙区に対抗馬を立てる構えで、みんな側は「報復だ」と反発。所属政党を移って出馬する新人も現れ、泥仕合の様相を見せ始めた。
「今までの戦略が水の泡。第三極のくくりで維新支持層も取り込める、と期待していたのに」。台東区選挙区(定数2)から立候補を予定しているみんなの津野忠彦氏(49)は動揺を隠さない。
都議選を目指して文京区で活動してきたが、両党の選挙協力の結果、地縁のない台東区からの出馬が決まった。ところが協力解消により、維新が候補者を立てる可能性が浮上。「対抗馬が出たらどうなるのか」
渋谷区選挙区(定数2)から出馬予定の小林崇央(たかひろ)氏(42)はみんなに所属していたが、橋下徹・大阪市長の従軍慰安婦問題などを巡る発言を受け、みんなが選挙協力を解消したことに反発。「選挙が不利になると見限ったみんなの党に幻滅した」と離党し、すぐ後援者の後押しで維新入りして都議選に手を挙げた。28日に維新の公認を受けたが、有権者の理解を得られるかどうかは「維新とみんなは政策が近い」と意に介さない。
国政では第三極として一定の存在感を持つ両党だが、都議会の議席は維新が3、みんなが1だけ。共闘が必要との判断から、3月に「定数3以下の選挙区では原則競い合わない」と合意し、42区のうち16区で候補者一本化が終わっていた。
だが、橋下発言でみんな側が協力解消を主張。互いの推薦は取り消された。維新都総支部代表の山田宏衆院議員は「都議選は国政と違う」と批判し、みんなの党に譲っていた渋谷を含む5区に対立候補を立てる作業に入った。同支部の幹部も「一方的に打ち切られて振り出しに戻った以上、全選挙区を取りにいくのは当然だ」と息巻く。