今季絶望となり記者会見する米大リーグ、カブスの藤川球児投手=29日、シカゴ(共同)【拡大】
藤川が、実戦復帰までに1年以上を要するといわれるトミー・ジョン手術を受けることになった。
28日(同29日)にシカゴ市内の病院で患部の磁気共鳴画像装置(MRI)の検査をした結果、右肘の靱帯(じんたい)が断裂していた。修復するにはトミー・ジョン手術しかない状況となった。
米大リーグ1年目の右腕は開幕セーブの衝撃デビューを飾り、4月7日からはクローザーを任された。しかし、キャンプ中から痛めていた右肘の状態が悪化し、“右前腕部の張り”という形で同13日にDL入り。5月10日に復帰したが、同26日のレッズ戦で初めてのイニングまたぎに臨み、再発。同27日に再びDL入りした。今季は12試合に登板し、1勝1敗2セーブ、防御率5・25だった。
2011年の6月10日にトミー・ジョン手術を受けた松坂(インディアンス傘下3A)は、翌年6月9日にメジャーで先発。一方で、和田(オリオールズ)は昨年5月上旬に受け、現在もマイナーで調整を続けている。過去の事例からみれば、藤川の場合、早くても来季、2年契約2年目の7月前後の復帰と考えられる。窮地に追い込まれたのは確かだ。
藤川の故障歴
阪神時代にも、肩や肘の故障でたびたび離脱していた。昨季は6月に右太ももの負傷で出場選手登録抹消。7月に復帰したものの、9月に右内転筋の張りで再び離脱。以降の登板はなかった。カブスに移籍した今季は、右前腕部の張りで4月13日からDL入り。今月10日に復帰したが、26日のレッズ戦で右腕の異常を訴え降板。翌27日に再びDL入りしていた。
トミー・ジョン手術
損傷した肘のじん帯を切除し、他の部位から正常な腱を移植する手術。1970年代にフランク・ジョーブ博士によって考案され、当時ドジャースのトミー・ジョン投手が74年に初めて受けたことから、こう呼ばれる。124勝していた同投手は手術後に奇跡のカムバックを果たすと、46歳で引退するまでさらに164勝を積み上げた。日本選手では村田兆治、桑田真澄、松坂大輔、和田毅らが手術を受けている。
(紙面から)