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【大相撲】

大砂嵐がアフリカ大陸初の関取

2013年5月30日 紙面から

 日本相撲協会は29日、東京・両国国技館で大相撲名古屋場所(7月7日初日・愛知県体育館)の番付編成会議を開いて十両昇進力士を決め、アフリカ大陸から初の力士となった大砂嵐(21)=本名アブデルラフマン・シャーラン、エジプト出身、大嶽、遠藤(22)=本名遠藤聖大、石川県出身、追手風、29歳の琴弥山=本名中倉幸基、島根県出身、佐渡ケ嶽、モンゴル出身の青狼(24)=本名アムガー・ウヌボルド、錣山=の4人が新十両になった。大砂嵐は大嶽親方(元十両大竜)が2010年7月に部屋を継承して初の関取で、日大出身で昨年のアマチュア横綱の遠藤は所要二場所で昇進した。

 大嶽部屋初の新十両昇進が決まったこの日は、1月に亡くなった大鵬さんの誕生日。晴れ姿こそ見せられなかったが、大砂嵐は「稽古が一番だと言われていた。毎日、しこを500回、てっぽうを1000回と言われてました」。大鵬さんの言葉は今も胸に刻まれている。

 師匠の大嶽親方(元十両大竜)も「大鵬親方の誕生日に関取が誕生するなんて、縁があるのかな。きょうは大鵬親方の誕生日と関取誕生のパーティーを身内だけでやります」と喜びを噛みしめた。

 稽古場を埋め尽くした報道陣の中で、大砂嵐は白い歯を浮かべた。「うれしいです。親方の稽古とアドバイスで早く上がれた。お父さんとお母さんにも電話します。俺の夢はまだまだ」。16歳で始めた相撲で横綱になりたくて、2011年に来日。入門を懇願して部屋を渡り歩いた。ようやく入門を認められた大嶽部屋から、12年初場所で初土俵を踏んだ。

 敬虔(けいけん)なイスラム教徒で、名古屋場所3日目からラマダン(断食)に入る。「大丈夫。我慢できる」と、笑顔で受け流す。昨年の名古屋場所で迎えたラマダンでは、日の出から日の入りまで飲食ができないため、午前2時に自分でチャーハンを作ったり、愛知県稲沢市の宿舎近くにあるマクドナルドでハンバーガーを6個買って食べたりしてしのいだ。「ちょっと疲れたけれど我慢できる」と、今年も我慢で乗り切るつもりだ。

 大鵬さんの仏前に幕下優勝を報告したのは千秋楽。おかみさんの芳子さんから、大鵬さんが愛用していたカップをもらった。「心を鍛えろと言われてきました」(大嶽親方)という大鵬さんの教えが、注目を浴びる名古屋場所でも発揮されることだろう。 (岸本隆)

 

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