私は昔からあまりテレビを見ません。
弱い誰かをいじっては笑いを取るという番組内容に辟易してるというのもありますし、同じ時間というコストを費やしても得られる情報の必や量が読書と比べて圧倒的に少ないのが、その理由だと思います。
もう一つ。
画面の向こうにいる美しい女優か何かにうっかり強い好意を抱いてしまうのが怖いというのもある、のかもしれません。
女優やアイドルにその時青春のすべてを懸けてしまう熱意は、男としてわからないでもない。
わからないでもないけれど、私はそういった事態には陥らないように感情のコントロールを修練したいと思う。
当然のこと言うのだが、あなたがどれだけスクリーンの向こうの女優に対して好意を抱こうとも、愛情を抱くとも、スクリーン向こうの笑顔は冷たい。
あなたに対して笑いかけるかに見えるその笑顔は、カメラの向こうにいる数百万人への微笑だからだ。誤解をしてはならない。
優先順位が違うのだ。
あなたにとって彼女が何よりも優先されるかけがえのない1番だったとしても、彼女にとっては数百万番目以下ですらない事を、知らなければならない。
同じルールは、自分を取り巻くこの現実世界にも適用される。
自分にとって優先順位の1番が、相手にとっての1番だとは限らない場合。
お互いをパートナーだと認めるには、少なくとも人間の中で1番の優先順位でなければならない。
2番ではダメなのだ。
それなら相手にとっての自分が「1番ではないと」悟ったら、その時どうするか。
簡単だ。
スクリーン向こうの女優と同じように、自分の優先順位を下げるだけなんだ。
簡単なことだ。
。。。それなのに時々、思い出したように感情の瓶から水が溢れてしまう。
気化をして、 うまく水分を蒸発させれば良いのだが、そうとばかりは限らない。
「どうしてこんな簡単なことが」と、濡れた瓶を拭き取っては、何事もなかったように日常に帰る。
そんな姿に、
なりたい。