〈第178回国会の開会に当たり、東日本大震災、そしてその後も相次いだ集中豪雨や台風の災害によって亡くなられた方々の御冥福をお祈りします。また、被害に遭われ、不自由な暮らしを余儀なくされている被災者の方々に、改めてお見舞いを申し上げます。
この度、私は、内閣総理大臣に任命されました。政治に求められるのは、いつの世も、「正心誠意」の4文字があるのみです。意を誠にして、心を正す。私は、国民の皆様の声に耳を傾けながら、自らの心を正し、政治家としての良心に忠実に、大震災がもたらした国難に立ち向かう重責を全力で果たしていく決意です。まずは、連立与党である国民新党始め、各党、各会派、そして国民の皆様の御理解と御協力を切にお願い申し上げます〉
野田首相は
現実を直視しているか?
果たして、野田首相は「正心誠意」、国民の声に耳を傾けてくれるのだろうか。あるいは逆に、鳩山、菅政権のように、官僚と記者クラブのスピンにまんまと騙されて、非現実的な世界に逃げ込むのだろうか。
国民の声に耳を傾けるということは、現実を直視することに他ならない。野田首相は何を見ているのだろうか?
引用が長くなるが、次の部分は編集するのもアンフェアなのでそのまま載せよう。
〈あの3月11日から、はや半年の歳月を経ました。多くの命と穏やかな故郷での暮らしを奪った大震災の爪跡は、いまだ深く被災地に刻まれたままです。そして、大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故は、被災地のみならず、日本全国に甚大な影響を与えています。日本の経済社会が長年抱えてきた課題は残されたまま、大震災により新たに解決が迫られる課題が重くのしかかっています。