関電、長浜市に締結案 原子力安全協定
関西電力は7日午前、大津市の県庁で開かれた滋賀県などとの原子力安全協定締結に向けた協議で、美浜原発(福井県美浜町)の締結先に含まれていない長浜市を新たに対象とする協定案を提示した。同市や県は持ち帰り、あらためて結論を出す考えを示した。
長浜市に提示した協定案では、平常時や異常時の連絡など10項目が盛り込まれた。だが、発電所の建設計画など重要事項についての事前報告と、職員の現地確認、輸送計画の事前連絡の3項目がなく、滋賀県や高島市に示されている協定案に比べ権限が弱い。
協議では長浜市の防災担当者が「県などと同等の協定案にはできないのか」と要望。関電側は1991年の美浜2号機で発生した事故を機に、同市にトラブルの情報を提供することになった経緯があるとして、「過去の経緯を協定で約束するというのが今回の趣旨。県には(情報を)提供するので、県内で有効活用していただきたい」と難色を示した。
長浜市は美浜原発から半径30キロ圏に入るが、立地する美浜町に隣接していないという理由で、これまで締結先から外されていた。
一方、高浜原発(福井県高浜町)については、滋賀県と隣接していないことから関電は安全協定を締結しない方針だが、高島市は同原発から半径30キロにかかる。この日の協議で高島市の防災担当者は、「分水嶺(れい)で琵琶湖に流れる河川も多く、汚染された場合の影響は計り知れない」として締結対象とするよう求めたが、関電側は「距離という概念では考えていない」と述べた。
【 2013年02月07日 14時28分 】