被ばく事故 同様施設の調査指示5月29日 12時34分
茨城県東海村にある素粒子実験施設で研究者33人が被ばくし、外部に放射性物質が漏れた事故について、国の原子力規制委員会は「放射線を扱うプロとしてモラルが低下している」などと批判する一方、再発を防ぐため、同じような実験施設について調査し、対応を検討するよう原子力規制庁に指示しました。
今月23日、東海村にある素粒子実験施設で起きた事故では、研究者33人が被ばくしたほか、汚染を確認しながら換気用のファンを回して放射性物質を外に漏らすなど、安全対策や対応のまずさが問題となりました。
この事故について原子力規制委員会は29日の定例会合で対応を協議しました。
この中で委員からは「放射線を扱うプロとしてモラルが低下している」、「今回の施設が放射性物質による汚染が想定されない第2種管理区域だったのは問題だ」さらに、「換気用のファンを回して意図的に排気するなど信じられない」などといった厳しい意見が相次ぎました。
田中委員長は、施設の使用を認めた規制側にも問題があったとしたうえで、再発を防ぐため、同じような実験施設について安全対策を調査し、対応を検討するよう原子力規制庁に指示しました。
また、今回の事故では、現場の安全責任者である放射線取扱主任者の判断にもミスがあったとして、対応を厳しく検証するよう求めました。
今回の事故について、規制委員会は「安全文化の欠如がみられる」として、国際的な基準で「レベル1」と暫定評価し、施設を運営する日本原子力研究開発機構に対し、原因の究明と再発防止策を報告するよう求めています。
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