H7N9 抗ウイルス薬に耐性5月29日 18時31分
中国で感染者が相次いでいるH7N9型の鳥インフルエンザで、中国の患者2人から抗ウイルス薬の耐性ウイルスが検出され、実際に薬が効きにくくなっていることが初めて確認されました。
これは中国・上海市の公衆衛生臨床センターの医師らがイギリスの医学雑誌「ランセット」の電子版に発表したものです。
それによりますと、H7N9型の鳥インフルエンザに感染し、先月、上海の医療機関に入院した14人の患者を調べたところ、入院前にタミフルなどの抗ウイルス薬の投与を受けていましたが、全員が肺炎を起こしました。
最も症状が悪化した3人は、体内のウイルスの量がなかなか減らず、人工肺の装置が必要になったということです。
この3人のうち2人から検出されたウイルスで、タミフルなどの抗ウイルス薬が効きにくくなる遺伝子の変異が確認されたということです。
H7N9型の鳥インフルエンザでタミフルなど抗ウイルス薬の耐性ウイルスが検出され、実際に患者で抗ウイルス薬が効きにくくなっていることが確認されたのは初めてです。
WHO=世界保健機関などは、H7N9型の鳥インフルエンザの治療では、タミフルなどの抗ウイルス薬が効果があるとしています。
研究グループは、「H7N9型で抗ウイルス薬の耐性が出ていることは懸念材料ではあるが、当面は早期の治療が最善の対応策であることに変わりはない」と強調しています。
「早期に増量して使う必要も」
H7N9型の鳥インフルエンザの患者で抗ウイルス薬が効きにくくなっていることが確認されたことについて、インフルエンザに詳しいけいゆう病院の菅谷憲夫医師は、「14人中2人というかなり高い確率で、薬剤に耐性を持つウイルスが出ているので、H7N9型の鳥インフルエンザウイルスは耐性が出やすいと考えられる。感染した患者は重症化するおそれがあるので、抗ウイルス薬を早期に、しかも量を増やして使う必要があるだろう」と指摘しています。
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