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マダニから感染症ウイルス検出
5月23日 12時5分

マダニから感染症ウイルス検出
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マダニが媒介するウイルスによる感染症で、先月、山口県岩国市の病院に入院した60代の女性の体に付着していたマダニから、この感染症を引き起こすウイルスが検出されたことが分かりました。
この感染症で、ウイルスを保有するマダニが確認されたのは、国内で初めてです。

山口県岩国市の国立病院機構岩国医療センターによりますと、先月9日、山口県東部に住む60代の女性が発熱や意識障害などを訴えてセンターに入院し、国立感染症研究所などで検査した結果、女性はマダニが媒介する感染症、SFTS=「重症熱性血小板減少症候群」に感染していたことが分かりました。
この女性は、呼吸不全などで、一時、集中治療室で治療を受けましたが、その後、症状は回復し、今月2日に退院したということです。
センターによりますと、この女性の腕に体長3ミリほどのマダニが付着していたため、国立感染症研究所でさらに詳しく調べた結果、このマダニは動物などに寄生する「タカサゴキララマダニ」で、この個体から感染症を引き起こすウイルスが検出されたということです。
この感染症で、ウイルスを保有するマダニが実際に確認されたのは、国内で初めてです。
この感染症はことし1月に国内で初めて山口県で確認され、厚生労働省によりますと、これまでに全国の10の県で15人の感染が確認され、このうち8人が死亡しています。

「マダニの媒介裏付けられた」

国立感染症研究所で調査を担当したウイルス第一部の西條政幸部長は「これまで日本で確認されている患者の中には、マダニにかまれたあとに発症している患者は確認されていたが、患者に付いていたマダニからウイルスの存在が確認されたということは初めてで、これでマダニが媒介する感染症だと裏付けられた。今回のマダニがタカサゴキララマダニというこれまでの報告とは違う種類だったので、今後、ほかの種類についても調査研究を行い、感染するリスクを減らす対策につなげていく必要がある」と指摘しました。
また、感染対策については「農作業などの際は長袖を着ることや、ダニが付いても分かりやすいような色の服を着ることが大切だ。作業が終わったあと、必ずダニが体に付いていないか気をつけて見るなどの繰り返しが、感染するリスクを減らすことにつながるので、ぜひ実践してほしい」と呼びかけています。

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