どの国の政府のコメントも、そして海外の記事の論調も、橋下徹の暴言について橋下徹個人の資質や素行の問題としては捉えていない。日本の政治の右傾化の問題として捉え、警戒を示しているのが特徴だ。フィリピン政府の声明は、河野談話の堅持を日本に要求している。ここで、一つのメモとして、昨年7月に、国務長官だったクリントンが「慰安婦という言葉は間違っている。強制的な日本軍の性奴隷だった」と発言したという報道があった点を指摘しておきたい。朝鮮日報によると、クリントンは部下に対して、今後は「慰安婦(comfort women)」の語の代わりに「強制的な性的奴隷(enforced sex slaves)」の語を使うように指示したとある。この情報が出た後、日本では右翼が誤報だ捏造だとネットで騒ぎ、検索をかけても、そうした右翼の工作情報ばかりが上位に登場するのだが、5/27にテレビタックルに出演した手嶋龍一が、これは弁護士でもあるクリントンの正式な判断であると言い、その信憑性は否定できないものになった。サキの「人身売買された女性たち」の表現は、クリントンの「強制的な性奴隷」の用語指示の背景が窺える。もともと、慰安婦は性奴隷であるという定義は、国連クマラスワミ報告によって確立された概念規定だが、米国もその認識を外交現場に採用したということで、世界の基準と常識に米国がアラインしたまでの話だ。だが、クリントンの判断と指示という点が大きい。