仙台六大学野球総評 優勝の福祉大投手陣、群抜く安定感

 仙台六大学野球春季リーグは27日閉幕した。東北福祉大が2季ぶり63度目の優勝。昨秋、覇権を逃した悔しさをばねにして9勝2敗で頂点に立った。

 投手陣はチーム防御率1.06と、安定感は群を抜いていた。最優秀選手に選ばれた2年の高橋陽平は4勝、防御率0.48と貢献。東北工大戦では無安打無得点試合を達成した。ともに1年の城間竜兵や出口心海も勝ち星を挙げ、将来性を感じさせた。チーム打率は3割1分9厘。佐藤卓也や船木吉裕、上村健人らを中心に好機に畳み掛ける攻撃が光った。
 秋春連覇を目指した東北学院大は2位。最終節で福祉大から3回戦に持ち込んだ末に勝ち点を奪う意地は見せた。とはいえ、打線に迫力を欠き、主戦塚本峻大らの投手陣を援護できなかった。仙台大とは3回戦にもつれ込んだが、勝ち点を逃した。3戦目はリーグ史上初の濃霧でのコールドゲームで落とした。
 3位の仙台大は学院大から勝ち点を挙げ、福祉大との2回戦ではタイブレークに持ち込む粘りを見せた。しかし、下位の工大戦で勝ち点を逃したのが痛かった。3勝を挙げた野口亮太の活躍が印象に残った。
 4位の工大は1年の菊地和成が4勝と活躍した。下位の宮城教育大に勝ち点を奪われるなど勝負強さを欠いたのが悔やまれる。
 宮教大は打線がつながり、最下位を脱出して5位と健闘した。東北大は善戦しながらも終盤で力尽きるケースが見られた。投打に粘り強さが欲しかった。(沼倉淳)

2013年05月29日水曜日