<ソフトバンク5-0巨人(28日)>巨人・杉内が、波に乗り切れない。古巣・ソフトバンク相手に吉村に一発を浴びるなど7回5失点で降板。打線も相手先発の左腕・帆足に6回無得点に抑えられるなど沈黙し、零敗を喫した。昨年まで5月はめっぽう強く「ミスター・メイ」の名をほしいままにしてきた杉内だが、結局今季は5月勝ち星なし。あの圧倒的な投球を再び見せることはできるのだろうか。
思わず天を仰いだ。7回二死一、二塁で迎えた吉村に投じた初球のスライダーを見事に狙われた。最初はマウンド上で軽く苦笑いを浮かべた杉内だったが、悔しさが増していったか、最後は険しい表情へと変わっていた。ゲームを決定付ける3ランで0ー5。「ランナーをためての本塁打だけ気をつけたい」と前日語っていた課題を果たすことはできなかった。
6回まで9奪三振2失点。しかし、投球数は既に109球。ここに杉内の苦しみがうかがえた。初回に2四球。2回表は三者連続三振と復調気配を見せたが、4回につかまった。
先頭の内川、そしてこの日4番に入った松田が連続安打。続く長谷川にはファウルで粘ったあとのスライダーを狙われ一、二塁間を鋭く破られた。二塁走者の内川はためらうことなく三塁を回ったが、長野の本塁への好返球でタッチアウト。なんとか救われたものの、ラヘアが初球のスライダーをしっかり右翼へ運ぶ犠飛で先制点を奪われた。
6回も長谷川の左前打で2点目を献上。川口投手総合コーチは「直球がいい」と評していたが、その一方でチェンジアップがほとんど使えず、直球とスライダーのみの組み立てに終始した。
ボールの出所が見えづらい杉内とはいえ、選択肢が少なければそれだけリスクは増す。しかもこの日、ソフトバンクのマスクをかぶっていたのは自主トレのパートナーでもある山崎。攻略されるのも時間の問題だった。
打線も先発・帆足の前にチャンスらしいチャンスをつくれなかった。初回二死一、二塁もロペスが二飛。4回には先頭の坂本がヒットで出塁するも阿部が中飛。続くロペスの場面で坂本が盗塁を決め一死二塁としたがロペス、亀井と凡打に倒れ無得点に終わった。終盤は防御率1点台を誇る、ソフトバンク救援陣の前になすすべなく敗れた。
杉内は「調子は悪くなかったが、球数が多すぎた。同じミスの繰り返しです」。あまり同じミスを繰り返すことがなかった左腕だけに、原監督の不安は募るばかりだ。26日のオリックス戦では内海がまさかの5失点KO。そしてこの日は杉内…勝ちを計算するはずの投手がことごとく打ち込まれている巨人。このままでは交流戦連覇は危うい。

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