本ヒッコリーはカナダと米国の東部にかけて分布しています。また、メキシコにもあります。ペカンヒッコリーは種によって、主として米国の南東部からメキシコにかけて分布するもの、東部とカナダ南部にみられるものとがあります。
■木材
心材と辺材の色の違いがあります。前者は褐色−赤褐色などで、後者は白色−黄白色です。この類の木材の外観はよくにており、馴れないと区別しにくいでしょう。木理は、ときに波状あるいは不規則になりますが、一般には通直です。肌目は粗です。木材は重硬で、気乾比重の平均値はホンヒッコリーで0.83、ペカンヒッコリーで0.75とされており、前者の値のほうがより高いです。したがって、より強さを必要とする用途には本ヒッコリーのほうが好まれますが、一般的な用途にはとくに区別はされないようです。この類の木材の特徴はとくに衝撃に強く、また曲げにも強い(アッシュよりも強い)ことです。保存性は低いです。曲げ木が出来ます。切削などの加工性はよく、仕上がり面はよいです。
■用途
衝撃に対する抵抗の大きいことが必要な用途、器具の柄、スキーの板や体操のバーなどの運動具などには最も適したものとされています。また、変わったものとしては肉の燻製用の材料が知られています。
【特性表】
ヒッコリー |
気乾 |
平均収縮率(%) |
強さ(MPa) |
曲げヤング係数
(GPa) |
比重 |
柾目方向 |
板目方向 |
曲げ |
圧縮 |
せん断 |
0.83 |
0.29 |
0.41 |
132 |
61 |
12.0 |
15.3 |
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