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【サッカー】

ザックの宝刀「3−4−3」テストへ

2013年5月29日 紙面から

 6月4日のワールドカップ(W杯)アジア最終予選でオーストラリアと対戦する日本代表が、30日の国際親善試合・ブルガリア戦(豊田スタジアム)で「3−4−3」の布陣をテストする可能性が出てきた。愛知県豊田市内で28日に行った非公開練習で、ザッケローニ監督は選手を新たなポジションに配置し、攻守の動き方や連係などを入念に確認。一昨年11月の北朝鮮戦(平壌)以来、実に1年半ぶりのシステム。最終予選の大一番を見据えながらも、「対世界」への準備に突入する。

 梅雨入りした三河の地で、イタリア人指揮官が手ほどきしたのは「3−4−3」システムだった。報道陣に公開した冒頭のウオームアップから、ザック監督は「思い入れがある」と語っていたシステム通りに選手たちを配置した。パス交換させながら、動き方や約束事、イメージを共有させると、非公開後もフルコートの紅白戦で実戦配備する念の入れようだった。

 内田、長友らサイドの攻撃特性、前線3枚のアタッカーの攻撃力を最大限に引き出す一方、連動性や運動量、判断力が求められる高難易度のシステム。一昨年は4試合で試したが、めぼしい成果を得られず、昨年は一度も試していない。それでも、「世の中のすべてのシステムを試した」というザック監督の強化の青写真に、宝刀とも言うべき「3−4−3」はずっと描かれていた。

 昨年10月、ザック監督は「3−4−3」に関してこう語っていた。

 「活用できれば使いどころはある。あるポイントでは非常に有効なシステムになるが、簡単なシステムではない。多くのチームがトライしているが、成功例はまれなくらい少ない。だが、日本ならばできると思う」

 W杯切符の獲得という使命とともに与えられた進化のエッセンス。長谷部は「新しいモノにチャレンジすることが大事。やりたい思いはある」と前向きに語り、今野は「成熟させられればもっと楽しくなる」と歓迎。香川は「(システムの)メリットをチームとして出して戦いたい」と意欲的だ。

 勝利を厳命されたオーストラリア戦、その先にあるコンフェデ杯を前に進化の手応えを感じ取れるならば、試す価値は十分ある。 (松岡祐司)

 

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