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地震予測の最新研究 スロースリップとは
5月28日 22時51分

地震予測の最新研究 スロースリップとは
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巨大地震の予測につながる可能性のある現象がおととし3月の巨大地震の前に捉えられていたことが最新の研究で分かりました。
地震を引き起こすプレートとプレートの境目の一部がゆっくりとずれ動く「スロースリップ」と呼ばれる現象で、地震の発生メカニズムの解明につながるか、注目されています。

東北大学の伊藤喜宏助教などの研究グループは、おととしの巨大地震の前、東北沖の海底に地震計と水圧計を設置していて、地震の前と後で変化を分析しました。
この付近は陸側のプレートの下に東から海側のプレートが沈み込んでいる場所で、水圧計のデータから、地震の1か月余り前から、地盤が数センチ程度隆起したり、沈降したりする地殻変動が観測されていました。
さらに、地震計では微動と呼ばれるごく小さな揺れが捉えられていて、分析の結果、陸側のプレートの一部が西へゆっくりと動く「スロースリップ」と呼ばれる現象が発生していたと見られています。スロースリップが巨大地震の前に実際に観測されたのは、初めてだということです。
伊藤助教は、スロースリップによって震源域に力が加わり、おととしの巨大地震につながったと考えていて、地震の発生メカニズムなどの解明につながる重要な手がかりだとしています。
伊藤助教は、「スロースリップが地震を必ず引き起こすかははっきりしていないが、観測や分析を続けることで、将来的に巨大地震の発生予測につながる可能性がある」と話しています。

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