福島第1原子力発電所2号機の状況が深刻になってきた。原子炉の心臓部に近い格納容器の一部が破損したとみられ、大きな爆発につながる可能性がある。水素爆発によって建屋が吹き飛んだ同1、3号機の被害を上回る恐れがある。
2号機で問題になっているのは、格納容器の底部にある圧力抑制室と呼ばれる部分。緊急事態に圧力容器内に注水するための水源となっており、放射性物質を多く含む。ここになんらかの損傷や欠陥があると、水が送れなくなるほか、放射性物質を含んだ気体や水が建屋に漏れ出す恐れがある。また、建屋は1号機や3号機と同じように内部に水素がたまっている可能性も否定できず、水素爆発を起こせば、一気に放射性物質を含んだ気体や水が周囲に拡散してしまう。
2号機の格納容器に損傷があった場合、その被害はこれまでの1号機、3号機であった爆発などに比べてはるかに深刻だ。放射性物質を隔離する最後の砦(とりで)といわれる格納容器が破損し、非常用の水の注入ができない状態が続くと、圧力容器内で燃料制御棒が水から露出しつづける可能性が高い。
すると、露出部分が高温で溶け、下に燃料そのものが落ちる。制御棒で囲まれている間は核分裂を抑えていたが、溶け落ちることで圧力容器の底で、再び核分裂が始まる「再臨界」が起こる。燃料棒の冷却が進まず、「メルトダウン」と呼ばれる完全な炉心溶融が起きる可能性も高り、放射性物質が完全に建屋の外に出る可能性が高くなる。
現段階では爆発により被害は建屋の破壊にとどまり、原子炉を覆う圧力容器と格納容器に影響はないとされ、内部の放射性物質が大量に外に漏れている可能性は低い。
2号機は炉心の燃料棒が水につからず露出したままだと高温のまま維持され、どんどん周囲の水を水蒸気にしてしまう。圧力容器内の圧力を高めてしまうほか、被覆材を含む燃料棒そのものが溶け出す。
溶け出した結果、燃料棒の中に封じ込められていた放射性物質も気化して水蒸気に混ざる。水蒸気と被覆材が反応し、水素も発生し、圧力容器の圧力をさらに高める。2号機でも破裂をさけるため、格納容器に水素や水蒸気を逃がしていたが、今度は格納容器内の圧力も高まる危険が高く、ここから建屋に逃がす作業が進んでいた。
今回、格納容器に破損があると、圧力抑制室の冷却用の水が使えなくなるほか、放射性物質を大量に含む水や気体が建屋側に出て、外に出る可能性が極めて高くなる。給水機能の制御不能になっている可能性が高い。東京電力は圧力容器内へ海水の注入を進めており、いかに水位を上げられるかにかかっている。
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