自民公約で日銀と「物価2%」協定、日銀法改正も視野
[東京 21日 ロイター] 自民党は21日午後、来月16日投開票の衆議院選挙で掲げる公約を発表した。デフレ・円高からの脱却に向けて「欧米先進国並みの物価目標(2%)を政府・日銀のアコード(協定)で定める」方針を明記。金融緩和の実効性を高めるため「日銀法の改正も視野に、政府・日銀の連携強化の仕組みを整える」ことを盛り込んだ。
政府・日銀と民間が参加する「官民協調外債ファンド」を創設し、外債購入などを検討する方針も掲げた。
経済政策では、デフレ・円高からの脱却を「最優先の政策課題」と位置付け、経済の司令塔機能として内閣に「日本経済再生本部」を設置。「失われた国民所得50兆円奪還プロジェクト」と銘打ち、今後5年間を集中期間とする「日本経済再生・産業競争力強化法」を制定して経済成長を促進することで「名目3%以上の経済成長を達成する」と明言した。
当面の経済運営については「今後2―3年は国内景気の落ち込みと国際リスク(欧州危機、新興国の景気減速)などに対応できる、より弾力的な運営を推進」する方針を掲げ、新政権発足後速やかに「第1段緊急経済を断行し、本格的な大型補正予算と13年度予算を合わせ、切れ目ない経済対策を実行する」としている。
経済の国際協調にも言及。「日米欧中を中心とした国際マクロ政策協調(平成のルーブル合意)の合意形成に向けた積極的な通貨・経済外交を強力に推進し、安定化を図るとともに、危機防止に向けた国際交渉に取り組む」という。
安倍晋三総裁が主張してきた日銀の国債引き受けに関しては「日銀の国債管理政策への協調などにより大胆な金融緩和策を断行する」との表現にとどめた。一方で国債管理については「財政健全化に向けて節度ある発行に努める」とした上で「あらゆるリスクを想定し、国債価格が暴落する『X―day』を防止するための処方せんを用意する」としている。
財政再建に向けては、「財政健全化責任法」などを早期に成立させ、国・地方の基礎的財政収支の赤字額の対国内総生産(GDP)比を、15年度に10年度比で半減、20年度までをめどに黒字化する目標を掲げた。
<原発再稼働、3年以内に全施設の結論> 続く...