安倍首相:村山談話「全体として受け継ぐ」
毎日新聞 2013年05月15日 11時48分(最終更新 05月15日 12時30分)
安倍晋三首相は15日午前の参院予算委員会で、過去の植民地支配と侵略を謝罪した「村山談話」について「政権としては全体として受け継いでいく」と述べた。首相は4月22日の参院予算委で「安倍内閣としてそのまま継承しているわけではない」と答弁しており、事実上、修正した。
村山談話については菅義偉(すがよしひで)官房長官が今月10日に「全体を引き継ぐ」と述べており、これに合わせた。
首相は過去の戦争をめぐる中国との関係について「侵略しなかったと言ったことは一度もない」と強調。「過去に中国に大きな被害、苦しみを与えたことには痛惜の念を持っている」と説明した。
ただ、「侵略だ」とは明言しなかったため、民主党の小川敏夫氏は「定義によっては侵略でないと思っているのか」と重ねて追及。首相は「まさに歴史認識で、そこに踏み込むべきではない。歴史家が冷静な目を持って確定していくものだ」と述べるにとどめた。
飯島勲内閣官房参与の北朝鮮訪問については「首相、政府としてはノーコメントだ」と述べた。日本維新の会の橋下徹共同代表の従軍慰安婦をめぐる発言については「私、安倍内閣、自民党の立場とは全く違う」と強調した。【小山由宇】