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【グラニュース】


ピクシー体制6年目の曲がり角<1> ケネディ不振が響く

2013年5月28日 紙面から

C大阪の後半、闘莉王(左)のシュートがセーブされ、ボールの行方を見つめるケネディ(中)=25日、キンチョウスタジアムで

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 名古屋グランパスが泥沼にはまり込んでいる。開幕前は3年ぶりの優勝を目標に掲げながら、16年ぶりの5連敗を喫するなどまさかの14位で中断期間を迎えた。低迷の原因は何か。浮上への策はあるのか。「ピクシー6年目の曲がり角」と題して連載する。第1部ではポジションごとにシーズン序盤の戦いを3回に分けて振り返る。

 恐れていたことが起こっている。開幕前、グランパスの不安要素は得点力だった。昨季10得点の永井はスタンダール(ベルギー)へ新天地を求め、ドリブラーの金崎もニュルンベルク(ドイツ)へ移籍した。ここまでJリーグ13試合で15得点の結果を見れば、2人の穴は埋まっていない。

 誤算は腰の手術明けのケネディの不調。闘莉王が「最大の補強はジョシュア(ケネディ)」と語っていたように、復活への期待は大きかった。先発復帰戦となった4月20日のFC東京戦こそヘディングで得点したものの、その後は重たい動きに終始。攻撃の流れを止めてしまっている。

 ストイコビッチ監督は、昨季も腰痛で満足に動けないケネディを起用し続け、勝ち点を取りこぼした。「今年はケネディに頼り切ることはしない」と語っていたが、復帰後はやはり代役がいないと判断したもようだ。ケネディを先発させた試合は0勝6敗1分け。エース頼みは再び裏目に出た。

 新戦力の矢野もJリーグでは無得点。当初はワントップに入っていたが、「動きながらプレーする方がやりやすい」という矢野の意を酌む形でピクシーが右サイドへシフト。それでも結果が出ず、最近5試合は途中出場が続いている。永井、金崎の代役として迎えられた元日本代表の現状としては寂しすぎる。

 明るい話題は3年目・田中輝の急成長だ。4月6日の柏戦でワントップに入ってJ初得点を挙げると続く新潟戦でも2試合連続ゴール。「場慣れしてきた感はある。ウチには仕掛ける選手が少ない。自分がどんどんいく」と自信を口にしたが、その途端、ケネディ復帰のあおりを受ける形で先発落ち。ここにもちぐはぐさが表れた。

 現行の4−2−3−1システムでワントップは最重要ポジションの一つ。あくまでケネディの復調を待つのか。田中輝や、練習試合で得点を重ねる20歳の田鍋ら若手FWに懸けるのか。このほか「FW闘莉王」の奇策もある。ピクシーは難しい選択を迫られる。

  (木村尚公)

 

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