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2013年5月26日(日) 東奥日報 ニュース



■ 大函丸就航1カ月 滑り出し順調

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大間・函館フェリー航路に就航し1カ月を迎えた大函丸=24日、大間町の大間港
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 大間町が建造した大間・函館フェリー航路の新船「大函丸(だいかんまる)」の就航から1カ月が過ぎた。運航する津軽海峡フェリー(函館市)のまとめによると、4月18日の就航から5月17日まで1カ月間の利用実績は、乗用車が2600台を超えて前年同期比1割増、旅客は同35%増で1万人を超えるなど、滑り出しは順調だ。航路の採算ラインは「乗用車で年間2万6千台前後」(同社)。冬場は客足の落ち込みが予想されるため、観光シーズンの夏から秋にかけての利用拡大が鍵を握りそうだ。

 同社によると、乗用車、貨物車両、バスなど車両全体の乗船実績は計3002台で、前年同期比9.5%増。うち乗用車は2654台で、同9.6%増えた。バスは37台で前年同期の約2.5倍と伸びが目立っており、多くは観光バスとみられる。また、通勤や通院などを含めた旅客は1万579人で、35.3%の大幅増となった。

 同社はバスや旅客の伸びについて「旅行業者が新船就航を機に企画した旅行ツアーが、旅客を含めて数字を押し上げた」と新船効果を強調する。

 一方、大函丸の就航後初の大型連休(4月27日〜5月6日)は、旅客こそ6076人で前年同期から31%増と大幅に伸びたが、乗用車や貨物などはおおむね例年並みだった。

 同社支店統括部の井内政宏部長は、大函丸の大型連休の実績について「今年は連休の谷間に平日が3日あって長い休みが取りにくかった。乗用車もガソリン高の影響を受けたのか、伸び悩んだ印象」という。

 同航路の乗用車の年間利用数はここ数年、2万1千台前後で推移しており、採算ラインを割り込む状態が続いている。

 同社は大函丸就航を機に、年間400万人以上の観光客が訪れる函館市がある道南と下北地方の観光周遊化を進め、フェリー利用客の上積みを図りたい考え。現在は、旅行会社と協力して夏から秋の集客期に向けて、航路を活用した旅行商品の開発を進めている。

 井内部長は「新船の滑り出しは好調だが、大事なのは、今後の誘客。下北、道南地域の方々と協力し、さらなる利用促進策を図りたい」と話している。

大函丸

 大間・函館フェリー航路の旧船「ばあゆ」の老朽化に伴い、大間町が航路維持のため26億円(町負担約16億円、県補助金5億円、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の資金支援5億円)を投じて建造し、4月18日に就航した。全長91メートル、1912トン。定員は478人。トラック21台または乗用車60台を積載できる。大間・函館の所要時間は、ばあゆの1時間40分から10分短縮された。大間−函館間を1日2往復している。

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