多人数使用
多人数使用
外国人にワンルームを賃貸したところ、氏名不詳の多数の者を同宿させています。やめさせるにはどうしたらいいのでしょうか。
多人数使用が問題になる場合
単身または小家族用として賃貸する建物に大勢の者が住みついてしまい、しかも、その名前すらよくわからないというようになってしまったという実例は、稀なことではありません。賃借人は、その事態を賃貸借契約時に予想しながら隠していることもあれば、後日になって、そのような状況を作り出してしまうこともあります。このような住みつき方をするのは、定住場所をもたないまま低収入の3K(きたない、きつい、きけん)な業務職業についたり、パブなどの水商売に入るために一時入国した外人に多いといわれていますが、はっきりしたことはわかりません。ただし、賃貸人が同じ建物に居住しているような賃貸住居では、賃貸人の目が光ることもあって、この種の問題はあまり起きないようです(暴力団員の入居に関しでも同じことのようです)。
当然のことながら、予定外の多人数が賃貸住居に住みついた場合、賃貸人には、困った問題が生じます。
①建物の傷みが激しくなる
②管理が行き届かなくなる
③他の居住者に迷惑となる
④管理のコストが増大する
賃貸借契約に居住制限人数が記載されている場合
賃貸借契約に、単身居住用とか居住人員は2名限りと記載されている場合には、それに違反した人数の者を寝泊まりさせることは、賃貸借契約の違反となります。ただし、ふるさとから親兄弟がたずねてきて旅の宿に利用したというような場合とか、友人がたまに夜泊まっていくという場合には、契約違反とはいえません。また、賃借人が結婚し、また子供が生まれた結果、居住人数が増加してしまったような場合にも、それによる人数超過を理由とする契約違反は主張できないでしょう。
賃貸借契約には人数制限の記載が無い場合
たいていの建物は、その位置構造及び居住環境等により、使用目的や居住人数が決まっているということは外部的にもだいたいわかるものです。賃貸借を媒介する宅建業者ならなおさらです。そのような場合において、予想外に多数の者が住みついて寝泊まりしはじめ、その結果、前記のような問題が生じてくるおそれがあるときは、賃借人が賃貸借上の信頼関係を破壊する行為を行ったとみなして、事実関係を調査したうえで賃貸借契約の解除に踏み切ることもできます。
契約書の工夫
以上のトラブルを回避するためには、賃貸借契約に以下のような条項を入れておくといいでしょう。
①居住可能人数の特定または多人数の寝泊まり禁止の条項
②使用目的の特定に関する条項
③賃借人が所在不定になる事態に備え、賃借人に対する通知催告が返送されてきたときは、発信の翌々日に到達したとみなす条項
④賃借人が外人である場合には、日本語を使用できるとの条項
⑤賃借人が行方不明となったときは、賃借権を放棄し、残置品の所有権を放棄したとみなし得るとの条項
このような条項を入れておくと、いざというときに、契約当事者間の信頼関係の破壊の認定が得られやすくなり、かつ強制執行等の手続きを余儀なくされる場合には、事後的な処分がやりやすくなります。