キミ・ライコネン 「ひとりにしてほしい」
Raikkonen would rather be left alone
キミ・ライコネン(33歳)はひとりにしてほしいが、自分でも何をしているのかわからないことがあると認めている。
ライコネンがソーシャルメディアを気に入るはずもなく、インタビュー嫌いを隠したこともない。しかし彼はモナコGPでロイターにその抵抗を克服し、「こんなことをするためにここに来ているのではない」と強調しつつも、インタビューに答えてくれた。
2007年F1ワールドチャンピオンで、現在タイトル争いをしているライコネンは「僕はドライビングやレーシングをして、レースに勝つためにここに来ている。それだけのことだ」と語った。彼は、チームのモーターホーム内でもサングラスをかけ、突き刺すようなまなざしを隠している。
ライコネンは、PRゲームに加わって自分ではない誰かのふりをすることを拒否するという率直さのため、長年すべてのスポンサーから愛されてはいないが、彼のファンはこの方がよいと考えているかもしれない。
彼のファンは、ひとりになりたがるがパーティ好きで、世界で最も技術的に進んだスポーツで稼ぐハイテク恐怖症で、スノーモービル・レーサーで、左前腕にゴシック体で「アイスマン」とタトゥーを入れたジェイムズ・ハントのファンを愛している。
寡黙な見かけ、グループ・インタビューではうなるような素っ気ない返事しかしないが、ライコネンはレーサーである。彼は今週末のあとチャンピオンシップ首位に立つかもしれないし、23戦連続でポイントを獲得するかもしれない。これはミハエル・シューマッハの記録にあと1戦と迫っている。
ほっといてくれ
昨年優勝したアブダビのレース中、ライコネンはレース・エンジニアに無線で「ほっといてくれ。自分のしていることはわかっている」と言い放ち、伝説にエピソードを追加した。
この発言は、そのフレーズを印刷したTシャツやマグカップを生み出し、2011年後半ライコネンを獲得しようとしたフランク・ウィリアムズも、このマグカップを所有している。多くの人にとって、これがライコネンのモットーになったが、彼はそういう見方をしていない。
2012年11月10日
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彼は「そうじゃないんだ。確かに自分が何をしているかわからないときもある」と笑った。おそらく、酔っぱらってナイトクラブの外でイルカの風船を抱えている古い写真や、ゴリラの着ぐるみを着てパワーボート・レーシングをしている写真のことを思い出したのかもしれない。
2007年03月07日
キミ・ライコネン、母国で酔ってカラオケを熱唱 <写真>
2007年08月01日
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「でもそういうこと(無線の件)は誰にだってあるだろう。大げさに取り上げられたんだ。普通のことだった。無線の感度があまりよくなくて、こちらの言いたいことをわからせようとしてできるだけ大きな声で言うと、叫んでいるように聞こえるんだ。そういうことはよくある。確かにいろいろなメッセージを受け取るのは好きじゃない。必要なことがあれば、こちらから質問するよ」
「フェラーリでもマクラーレンでもそういうことがあった。僕はいろいろなことを言ったけど、当時はテレビで流れることはなかった。今でもレース中におかしなことが起きているが、何らかの理由でライブで流れたりしない。チームにとって目新しいことじゃないんだよ」
他のドライバーがソーシャルメディアを通じて、自発的に写真を投稿したり私生活を披露したりすることについて質問すると、ライコネンが不必要なコミュニケーションが好きではないことがさらに明らかになった。
「フェイスブックは使わない。携帯電話を捨ててもいいなら、たぶんそうするだろう。いつもサイレントにしている。他人から電話がかかってくるのが嫌なんだ。曲がり角に公衆電話があり、自宅に電話があった頃は、携帯電話がなくても生活できた。僕が毎日何をしてどこにいるか、世間に知らせることに興味はないね。友達や家族との日常生活はプライベートにしておきたい。それだけだ」
ライコネンは違う
港に浮かぶ宮殿を背景にしたモナコGPは、多くのF1ドライバーのお気に入りレースのトップになっているが、ライコネンは違う。
理想的なレース週末は、フランスの田園地方にあるマニクール・サーキットのレースだという。このレースはもはやカレンダーになく、ホテルやナイトライフに欠けるため、スポンサーや企業から好まれなかった。
「かなりよかったよ。人がいなかったからね。隣にホテルがあって、かなりいいところだった。いつも楽しかった。純粋なレーシングで、煩わしさがなかった」
シーズン開幕戦のオーストラリアGPで優勝し、19戦中5戦が終わってレッドブルの3度のワールドチャンピオン、セバスチャン・ベッテルを4ポイント差で追っているライコネンは、タイトルを獲得したフェラーリ時代のように好調である。
来シーズン、パドックの噂を信じれば、彼はベッテルのチームメイトになるかもしれない。ライコネンは今年末ロータスとの契約が切れるが、2009年末にF1からラリーに転向したとき、レッドブルの支援を受けていた。
彼は、彼の残留を希望しているロータス以外にも選択肢があると認めたが、最高のマシンは決断を下すときの方程式の一部に過ぎないと述べた。
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勝てるマシン
彼は、2014年に導入される大幅な規約変更を念頭に「いつだって勝てるマシンがほしいものだが、そうなるという保証はない」と述べた。
「明らかに彼ら(レッドブル)は長年とてもよいマシンをつくってきたが、僕らもそれほど悪いマシンをつくったわけではない。だから、僕が移籍しても、彼らが最高のマシンをつくっていつも優勝するとは言えない」
「もっと全体像を見るべきだと思う。つまり、あらゆる面でよいフィーリングがなければならないし、普通の生活を送らなければならないし、ささいなものであっても特定のものが特定の場所になければならない。すべてについて全体的に満足かどうか、人生全体がどう進むかというシンプルなことだ。それが違いを生み、決断に対して大きな影響を与える」
ライコネンは2001年ザウバーからF1に参戦したが、当時のFIA会長マックス・モズレーは、義務付けられているスーパーライセンスを与えるには、ルーキーであるライコネンは経験不足ではないかと懸念した。
翌年末、彼は2度のワールドチャンピオンで同じフィンランド出身のミカ・ハッキネンの後任としてマクラーレンに移籍した。ライコネンはあと1回優勝すれば、通算21勝となり、グランプリ優勝に関しては最も成功したフィンランド人ドライバーになる。しかしこのような統計値は彼にとってあまり重要ではない。
「僕はもう望んでいたことを達成したので、もっと増えるのはいいことだ。もちろんチャンピオンシップでもっと優勝したいが、それが実現しなくても、あるいは最速ラップを出せなくても、レースに優勝できなくても、だからといって僕の人生が変わるわけではない。たぶん世間は違う見方をするのだろうが、僕にとってはたいした違いではない」
-Source: Reuters.com
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