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日本統合医療美容学会を立ち上げて、まだまだ日本はかなりの統合医療や補完代替医療の後進国だなと思わざるを得ない。むしろ最近、逆を行っているような気もする。あの有名なポーリング氏が提唱し、当たり前の理論であるビタミンCの免疫力増強効果を否定したり、整体は効果がないとか、ホメオパシー云々(ホメオパシーは統合医療の世界でも意見が別れるがイギリスでは保険適用)。

いくらアスコルビン酸(ビタミンC)が否定されようと、すでに免疫力をアップさせることは当たり前の事実であり、エビデンスも十分にある。また、アスコルビン酸は、免疫力をあげるだけでなく、美容には絶対にかかすことができないものである。例えば、コラーゲン生成時には、アミノ酸がヒドロキシ化するさいに、アスコルビン酸は補酵素として必要なわけであるし、また美白にも効果があるのはみなさんもご承知であろう。

アスコルビン酸が免疫力を上げないと否定する学者たちは、よくモーテル氏が行った臨床実験のデータを挙げる人がいる。これは大きな間違い。この実験データはポーリング氏が提唱した点滴によるアスコルビン酸大量投与ではなく、経口摂取であり、摂取量も少なく、同時に内服薬を飲ませていたり、少しでも体調が悪くなるとアスコルビン酸投与を中止したりと、問題だらけであった。まさにポーリング氏が恪好の的にされたのである。全くひどい話なのだ。

また意外にもアスコルビン酸は疲労感も和らげる。私は昔に、阪大にいたK医師に、アスコルビン酸を投与されたマウスたちは、投与されていないマウスたちよりもはるかに長い距離を走り続けたという実験データを詳細に見せてもらったことがあるし、またアスコルビン酸は活性酸素を除去してくれたりなど、まさに百薬の長と言っても過言ではない。

西洋医学は難病患者を見捨てるが、統合医療や補完代替医療は決して見捨てない。また未病という概念を大事にする。

もちろん西洋医学は素晴らしいものであるが、同じくらい、補完代替医療も素晴らしいわけであり、西洋医学と補完代替医療が合わさった概念である統合医療が、アメリカやドイツ、イギリスばりに日本にも大きく普及するのを望むばかりである。


日本統合医療美容学会 会長 居藤タカセ