今日、連邦準備制度理事会(FRB)のベン・バーナンキ議長が議会で証言しました。

彼の事前に用意された原稿はきわめてハト派的なトーンで、それを見たトレーダーが慌てて株に買いを入れました。

ところがQ&Aセッションに入ると次のようなやり取りがありました:

ケビン・ブレディ議員(共和党、テキサス州):FRBの出口戦略(exit strategy)についてそのアウトラインを示して欲しい。

バーナンキ議長:現時点では住宅ローン証券を市場に売り返す必要は低い。

ブレディ議員:レーバー・ディ(9月2日)までに債券買い入れプログラムを切り上げる可能性があるか?

バーナンキ議長:さあ、どうでしょうね。それはその時の経済指標次第でしょう。若し経済指標が改善していれば次のいくつかのFOMC(few meetings)のうちに、債券買い入れプログラムの切り上げが始まるかも知れません。


ニューヨーク株式市場は、このコメントを嫌気して、午後にかけて値を消しました。

ただ、仮に次の数回のFOMCミーティングのうちにFRBが債券買い入れプログラムをテーパーオフ(ちょっと減らす事)させたとしても、それは突然、パッタリと中止するというわけではありません。

一週間ほど前にウォールストリート・ジャーナルのジョン・ヒルゼンラースが記事にしたように、小手調べに債券買い入れプログラムを少し縮小してみて、市場の反応を確認し、もし市場が混乱するようならまた債券の買い入れを再開し、ぐちゃぐちゃにならないようなら、そっと足抜きをする……そういう「三歩進んで、二歩下がる」オペレーションになると予想されています。