橋下徹氏:「私の認識と見解」 日本語版全文
2013年05月26日
アメリカ軍内部において性暴力が多発し、その統制がとれていないことが最近、アメリカで話題となっています。オバマ大統領もアメリカ軍の自己統制の弱さに相当な危機感を抱き、すぐに効果の出る策はないとしつつ、アメリカ軍に綱紀粛正を徹底するよう指示したとの報道がありました。
このような状況において、私は強い危機感から、在日アメリカ軍司令官に対して、あらゆる対応策の一つとして、「日本で法律上認められている風俗営業」を利用するということも考えるべきではないかと発言しました。すぐに効果の出る策はないとしても、それでも沖縄の現状を放置するわけにはいきません。私の強い危機感から、ありとあらゆる手段を使ってでも、一部の心無い在日アメリカ軍兵士をしっかりとコントロールして欲しい、そのような強い思いを述べる際、「日本で法律上認められている風俗営業」という言葉を使ってしまいました。この表現が翻訳されて、日本の法律で認められていない売春・買春を勧めたとの誤報につながりました。さらに合法であれば道徳的には問題がないというようにも誤解をされました。合法であっても、女性の尊厳を貶(おとし)める可能性もあり、その点については予防しなければならないことはもちろんのことです。
今回の私の発言は、アメリカ軍のみならずアメリカ国民を侮辱することにも繋(つな)がる不適切な表現でしたので、この表現は撤回するとともにお詫び申し上げます。この謝罪をアメリカ軍とアメリカ国民の皆様が受け入れて下さいます事、そして日本とアメリカが今後とも強い信頼関係を築いていけることを願います。
私の真意は、多くの在日アメリカ軍兵士は一生懸命誠実に職務を遂行してくれていますが、一部の心無い兵士の犯罪によって、日米の信頼関係が崩れることのないよう、在日アメリカ軍の綱紀粛正を徹底してもらいたい、という点にあります。その思いが強すぎて、不適切な表現を使ってしまいました。
アメリカは、世界で最も人権意識の高い国の一つです。そして、人権は世界普遍の価値です。アメリカ国民の人権と同じように、沖縄県民の基本的人権が尊重されるよう、アメリカ軍が本気になって沖縄での犯罪抑止のための実効性ある取り組みを開始することを切に望みます。
■日韓関係について