日本泌尿器科学会専門医教育施設
役職/部長
氏名/保科 彰 |
専門医 認定医 |
日本泌尿器科学会専門医・指導医 日本がん治療認定医機構・暫定教育医 医学博士 |
所属学会 | 日本泌尿器科学会 日本癌治療学会 日本泌尿器内視鏡学会 | |
専門分野 専門領域 |
泌尿器科全般 泌尿器癌 | |
コメント |
役職/部長
氏名/大西 毅尚 |
専門医 認定医 |
日本泌尿器科学会専門医・指導医 日本がん治療認定医機構・暫定教育医、泌尿器腹腔鏡技術認定医、 医学博士 |
所属学会 | 日本泌尿器科学会 日本癌治療学会 日本泌尿器内視鏡学会 | |
専門分野 専門領域 |
泌尿器科全般 泌尿器癌 泌尿器腹腔鏡手術 | |
コメント |
役職/副部長
氏名/芝原 拓児 |
専門医 認定医 |
日本泌尿器科学会専門医・指導医 、泌尿器腹腔鏡技術認定医、医学博士 |
所属学会 | 日本泌尿器科学会 日本泌尿器内視鏡学会 | |
専門分野 専門領域 |
泌尿器科全般 副腎外科 泌尿器腹腔鏡手術 | |
コメント |
泌尿器科疾患全般について診療をおこなっています。治療は内視鏡手術を積極的に取り入れて、侵襲がより小さい治療(Minimally Invasive Therapy)、そして、生活の質(QOL)を重視した治療をめざしています。
手術は毎週火・木曜日の9時30分時からと毎月第一月曜日の13時から実施しています。平成24年も、悪性腫瘍の入院・手術が多いのが当院の特徴であることに変化はなく、疾患別にみると前立腺癌が最も多く、次いで膀胱癌、腎癌と続く傾向も例年通りでした。平成24年の手術の傾向も例年と変わらず、前立腺全摘出術が18例、膀胱全摘出術が8例(尿路変更術:回腸新膀胱3例、回腸導管2例、尿管皮膚ろう3例)、経尿道的膀胱腫瘍切除術が108例でした。腎摘出術は腎細胞癌の19例と腎膿瘍の1例に、腎尿管全摘出術は腎盂癌の5例と尿管癌の5例に施行しました。これらのうち腹腔鏡視下手術は、腎摘出術(腎尿管全摘出術の腎遊離を含む)が27例・副腎摘出術が1例・前立腺全摘出術が7例の計35例でした。また、前立腺肥大症に対しては経尿道的手術を42例に施行しました。尿路結石に対する体外衝撃波結石砕石術は月・水・金曜日に実施して38例に施行しました。
三重県初!腹腔鏡下前立腺全摘除術を開始しました
2013年4月1日、伊勢赤十字病院が三重県で最初の腹腔鏡下前立腺全摘除術を実施できる施設に認定されました。
泌尿器科領域における腹腔鏡手術としては、腎臓や副腎に対する手術が主に行われており、当院でも以前から積極的に行っております。腹腔鏡手術は難易度が高く、高度な技術が必要となるため、安全に手術が行えるよう、泌尿器腹腔鏡技術認定医制度(日本泌尿器科学会と日本泌尿器内視鏡学会が泌尿器腹腔鏡手術に携わる医師の技量を評価し、一定の基準を満たしたものを認定するもの)を制定し、試験に合格すると技術認定医の称号が与えられます(2013年3月現在、三重県下で3名のみ、そのうち2名が当院に在籍しています)。前立腺に対する腹腔鏡手術は特に難易度が高く、手術ができるようになるためには、腹腔鏡手術の基本手技に加え、おなかの中で縫合や結紮ができなければなりません。そのためどの施設でも行えるわけではなく、保険診療で実施するためには施設認定の取得が義務づけられており、当院は以下にあげる施設基準のすべてを満たしております。
腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術の施設基準
1. 泌尿器科を標榜している病院であること
2. 腹腔鏡下腎摘出術及び腹腔鏡下副腎摘出術を、術者として、合わせて20例以上実施した経験を有する常勤の泌尿器科の医師が2名以上いること。
3. 当該手術に習熟した医師の指導の下に、当該手術を術者として10例以上実施した経験を有する常勤の泌尿器科の医師が1名以上いること。
4. 当該保険医療機関において腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術が10例以上実施されていること。
5. 関係学会から示されている指針に基づき適切に実施されていること
全国では100施設以上が腔鏡下前立腺全摘除術のできる施設として認定されていますが、これまで三重県には認定施設がなく、この手術を希望される患者さんは他県の病院を紹介させていただいておりました。当院が施設認定を取得したことで、今後は県内で腔鏡下前立腺全摘除術を受けていただくことが可能となります。
腹腔鏡下前立腺全摘除術とは・・・
前立腺がんに対する手術は、下腹部を7~15cm程度切開して前立腺を摘出する開創手術が一般的に行なわれています。前立腺は骨盤の最深部に位置し、光が届きにくいうえ奥深い狭い場所での手術となるために出血量が多くなったり、不確実な切除となったりする場合があります。また、手術の侵襲により社会復帰に時間を要したり、大きな傷が残る場合があります。
腹腔鏡下前立腺全摘除術は下腹部に0.5~1.2cmの小さな穴を5カ所開け、そこから内視鏡や手術器具を挿入し、おなかの中の様子をモニター画面に拡大して映し出しながら前立腺、精嚢腺、リンパ節を摘出し、膀胱と尿道を吻合します。内視鏡を通しての拡大視野のもとで手術が行えるため、前立腺の確実な切除、勃起神経や尿道括約筋の温存、膀胱尿道吻合をより確実に行うことが可能となります。
腹腔鏡下前立腺全摘除術の適応
基本的には開創手術をうける人と同じで、リンパ節郭清や前立腺周囲にある勃起をつかさどる神経を温存する「神経温存手術」も行っております。
腹腔鏡下前立腺全摘除術の利点
1. 拡大視野での丁寧な手術ができる
2. 傷口が小さいため、術後の痛みが少ない
3. 回復が早く、入院期間が短くなる
4. 出血が少ない
腹腔鏡下前立腺全摘除術の欠点
1. 難易度が高い
2. 開創手術に比べて手術時間が長くなる
初期10例の患者さん全員が術中、術後の合併症もなく、手術翌日から食事摂取と歩行が可能で、傷口が小さいため(図)、開創手術と比べて明らかに疼痛が少なく、早期退院が実現されています(術後6~7日で退院)。このように患者さんにとってのメリットが多い腹腔鏡下前立腺全摘除術を安全、確実に受けていただくことができるように手術手技の向上に努めていきたいと思います。
平成24年は男性485例、女性61例、計546例の入院がありました。
手術は、延べ335件施行しました。疾患群別にみた手術件数の割合は悪性腫瘍が57.7% 、良性腫瘍が15.7%、結石が13.6%、次いで奇形の順でした。
主な手術件数
副腎摘出術 | 開創腎摘出術 | ラパ腎摘出術 | 開創腎尿管全摘出術 | ラパ腎摘+尿管摘出術 | |
2010 | 1 | 12 | 8 | 2 | 6 |
2011 | 1 | 8 | 9 | 2 | 6 |
2012 | 1 | 3 | 17 | 0 | 10 |
ラパ:腹腔鏡視下手術
腎部分切除術 | 尿管膀胱新吻合術 | ESWL(腎) | ESWL(尿管) | PNL | TUUL | |
2010 | 1 | 0 | 11 | 48 | 0 | 7 |
2011 | 2 | 0 | 0 | 25 | 0 | 1 |
2012 | 1 | 0 | 6 | 32 | 0 | 2 |
膀胱全摘出術 | TUR-Bt | 膀胱部分切除術 | 膀胱砕石術 | |
2010 | 2 | 114 | 0 | 12 |
2011 | 5 | 112 | 0 | 3 |
2012 | 8 | 108 | 0 | 11 |
回腸新膀胱:3件、回腸導管造設;2件、尿管皮膚ろう造設:3件
尿道脱切除術 | 尿道切開術 | 尿道憩室切除術 | TUR-P | |
2010 | 1 | 2 | 0 | 33 |
2011 | 0 | 1 | 0 | 43 |
2012 | 2 | 4 | 0 | 42 |
開創前立腺全摘出手術 | 腹腔鏡視下前立腺全摘出術 | |
2010 | 17 | 0 |
2011 | 21 | 0 |
2012 | 11 | 7 |
高位精巣 摘出術 |
去勢術 | 精巣固定術 | 精巣上体 摘出術 |
陰嚢水腫 根治術 |
陰嚢内容 摘出術 |
|
2010 | 0 | 16 | 7 | 0 | 7 | 2 |
2011 | 3 | 41 | 8 | 2 | 7 | 1 |
2012 | 1 | 19 | 12 | 0 | 6 | 0 |
陰茎部分切除術 | 陰茎折症手術 | 持続勃起症手術 | 包茎手術 | |
2010 | 1 | 0 | 0 | 4 |
2011 | 2 | 1 | 0 | 13 |
2012 | 1 | 0 | 0 | 4 |