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【政治】

改憲保守内で批判合戦 慰安婦発言

 日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の慰安婦容認発言について、安倍晋三首相は十五日の参院予算委員会で「私、安倍内閣、自民党の立場とは全く違うと申し上げたい」と強調。対する橋下氏は大阪市内で記者団に「自民党を含め、日韓基本条約で法的にすべて解決済みだと言っていることの方が元慰安婦の皆さんを傷つけている」と反論し、両者の応酬が見られた。 (城島建治、中根政人)

 首相と橋下氏はもともと改憲や歴史認識で似た考え方を持つ改憲保守勢力で、夏の参院選後は連携も視野に入れているが、橋下氏の突出した発言で確執を生んだ。

 首相にとっては、外交問題になった自らの歴史認識問題を収拾しようとしている最中に、橋下氏の発言で中国、韓国の批判に火をつけ、事態を複雑にさせた。参院選後に維新と連携した場合、中韓両国の反発だけでなく、問題発言でできた橋下氏のマイナスイメージがそのまま自民党政権に跳ね返る可能性もある。

 自民党の石破茂幹事長は記者会見で「党のトップの発言は国益を損なう」と懸念を表明した。

 自民党と連立を組む公明党の山口那津男代表も十五日付の自身のメールマガジンで、橋下氏の発言を批判した。「軍と売春はつきもの」とした石原慎太郎共同代表の発言も引き合いにして「二人の共同代表によって維新の会は『暴走政党』と化した」と断じた。

 自民党内には参院選後、維新と連携しても、公明党との連立は維持できるとの見方があったが、橋下氏の発言で公明党が態度を硬化させる可能性は高い。

 首相と橋下氏は改憲や歴史認識で歩調を合わせてきたが、維新の支持率が伸び悩み、最近になって橋下氏は「自民党の改憲草案は公権力を前面に出しすぎて、怖い」と批判するなど、自民党との違いを示し始めていた。それでも両党が改憲を目指す保守勢力であることには違いない。

 自民党の中堅議員は「橋下氏は首相の思いを代弁する意識があるのだろうが、あんなこと言ったら終わりだ」と話した。

 

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