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【大相撲】

稀勢 負けて強し 来場所 名古屋で綱とりだ

2013年5月26日 紙面から

白鵬−稀勢の里 白鵬(左)がすくい投げで稀勢の里を下す(伊藤遼撮影)=両国国技館で

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◇夏場所<14日目>

(25日・両国国技館)

 横綱白鵬(28)=宮城野=が大関稀勢の里(26)=鳴戸=との全勝対決をすくい投げで制した。千秋楽で横綱日馬富士に勝てば2場所連続全勝で、朝青龍に並ぶ史上3位の25度目の優勝が決まる。稀勢の里が千秋楽で大関琴奨菊に勝ち、白鵬が負けると優勝決定戦にもつれ込む。

 館内に悲鳴が鳴り響く中、最後は土俵の中央で大の字になって倒れた。全勝同士の大一番。白鵬が体を預けるように打ったすくい投げに耐えきれず稀勢の里はまげから背中、尻にかけて砂だらけになった。無念の表情を隠せず、何度も首を横に振って、土俵を下りた。

 「うーん…どうだろう。思い切っていこうと思いました。まあ、どっかに焦りがあったんですかね」。長い沈黙を挟みながら、自らに問い掛けるように少しずつ短い言葉を絞り出した。

 勝機はあった。立ち合い、左へかわり気味に立った白鵬を得意の左四つでしっかりつかまえた。一瞬は右を巻き替え、もろ差しにもなりかけた。過去1年間、全敗という難敵撃破にあと一歩まで迫った。

 「負けは負けですから。内容が良くても駄目。まっ、仕方ないです」。健闘むなしく1差に後退したが、安定感と強じんさを増した稀勢の里に待望の日本人横綱誕生を期待する声は強い。最近は大関で2場所連続優勝が横綱昇進の条件のようになっている。しかし北の湖理事長(元横綱)は「基本的には13勝以上で優勝に準ずる成績」と話し「13勝と14勝では見方が違う。一つでも多く勝っておいた方がいい」と今場所の優勝の成否にかかわらず、次の名古屋場所(7月7日初日、愛知県体育館)が、綱とり場所になるとの認識を示した。

 稀勢の里は千秋楽の残り一番に全精力を傾ける意気だ。「まだ明日がありますからね。(綱とりは)まっ、結果ですけど、目の前の一番を勝つことが一番。その積み重ねだと思う」。まだわずかだが、逆転優勝の可能性は残っている。夢は簡単にはあきらめない。まずは勝って白鵬にプレッシャーを掛けてみせる。強い決意が表情に浮かんでいた。 (竹尾和久)

 

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