
新日鉄住金室蘭製鉄所(室蘭市仲町、田邉孝治所長)の高効率の第6号発電設備が完成し、17日に同施設建屋周辺でしゅん工式が行われた。既に4月1日から本格稼働しており、発電出力は12万5千キロワット。北電以外では道内最大級の自家発電設備となる。
6号機は再熱再生型汽力発電システムを採用。製鉄工程で発生する副生ガス(高炉ガス、コークス炉ガス、転炉ガス)を活用してエネルギーコストを改善するとともに、発電時の二酸化炭素排出量削減を図る。
室蘭製鉄所の発電設備はこれまで1〜5号機が稼働。1〜3号機は1960年代(昭和30年代後半)に建設され老朽化していたため統合して6号機を新設。1、2号機は予備機に活用し、最も古い3号機は廃止した。
1〜3号機の合計出力7万5千キロワットから6号機に置き換わることで12万5千キロワットにアップ。発電効率は28%から40%に大幅に向上する。製鉄所全体(4〜6号機)の発電出力は32万2千キロワットとなる。
しゅん工式には田邉所長ら新日鉄住金、関連会社の役員、来賓の田辺隆久胆振総合振興局長ら約70人が出席。神事で安全操業と事業発展を祈願した。続いて始動の儀では田邉所長ら4人がくす玉を割り、稼働を祝った。
田邉所長は「昨冬の電力不足の際、正月返上で試運転して北電に電力供給し、北海道に貢献しようという熱意が伝わる素晴らしい立ち上げだった。主力発電設備としてコスト競争力強化、環境改善の面で長く使っていきたい」と述べた。
新日鉄住金が進めるエネルギー体質強化プロジェクトの一環で整備。君津、大分両製鉄所の新発電設備と合わせて建設し、設備投資額は合わせて800億円。
(粟島暁浩)
【写真=4月1日から営業運転を開始し、しゅん工式を迎えた第6号発電設備】
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