JX日鉱日石エネルギー室蘭製油所(室蘭市陣屋町、三ツ井克則所長)が11日から本格実施している、4年に1度の大規模定期消火工事(メジャーシャットダウン=メジャーSD)の安全大会が20日朝、同製油所構内で開かれた。作業がピークを迎える中、関係者ら約2千人が点検・補修工事中の無事故・無災害を誓い合い、本格的な工事に入った。
4年に1度のメジャーSD。開放点検する機器は約400基で開放率は34%。前回の2009年(平成21年)のメジャーSDより、装置の法定点検年限の巡り合わせで21ポイント減となった。
午前7時50分からの安全大会は、SD元請け業者で構成する労働災害防止協議会(会長・影浦克哉・新興プランテック室蘭事業所長)の主催。黄色や青、緑など色とりどりのヘルメットを着用した作業員を前に影浦会長は「安全大会を契機に、だれ一人けが人出さず対応できるよう緊張感と思いやりを持って毎日の安全作業に努めたい」と決意を述べた。
続いて、発注者を代表して三ツ井所長は、1956年(昭和31年)の原油処理開始から今年で57年を迎えることに触れ「来年4月に石油精製装置を止め石油化学工場となる。3割の装置は今回でメンテナンスを終え停止する。57年間、先輩を含めみなさんで動かし、メンテナンスしてくれたことを踏まえ、立派なSDにしてもらいたい」と呼び掛けた。
室蘭労働基準監督署の小西利典次長の安全講話に続き、施工者を代表し下野悟志・鹿島エンジニアリング安全専任者が安全宣言。新興プランテックの森元樹工事監督が、指差し呼称や声掛けの徹底など3項目の安全唱和を行った。この後、作業員らはそれぞれの持ち場に移動し、作業に取り掛かった。
期間中の稼働人員は延べ4万人、1日平均1600人、最大で2100人を見込む。経済効果は地元工事会社への発注額で16億円。作業員の宿泊や食費などで2億円の合わせて18億円と試算。全面再開は6月19日を予定している。
(粟島暁浩)
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