円安:食品や生活用品値上げ次々 消費冷え込む恐れも
毎日新聞 2013年05月23日 22時18分(最終更新 05月24日 07時36分)
円安が進んで原材料を輸入に頼る食品や生活用品の値上げが続いている。企業業績は回復しているが賃上げの動きは広がらず、家計負担は増大するばかり。小麦粉や油など原材料の値上げが加工食品に波及するのはこれからで、さらなる負担が家計を直撃することになる。消費者は値上げに敏感なだけに、小売り側も値上げに頭を抱えている。【横山三加子】
「夏ごろには値上げせざるを得ない状況です。お安いうちにお買い上げください」。東京都板橋区のスーパー「オーケー」では、そんな表示が小麦粉売り場に掲げられている。「他店より安く」が売りのスーパーだけに、「よそより先に値上げすることはないが、最終的にはせざるを得なくなる」(本社広報)と説明する。
日清製粉グループは輸入小麦の価格上昇を受け、6月20日出荷分から業務用、7月1日出荷分から家庭用の小麦粉を値上げする。他の製粉会社も追随するとみられる。小麦粉はパンやうどん、ケーキ類など幅広い食品に使用されるだけに、家計への影響は大きい。
製パン大手の山崎製パンは23日、小麦粉の値上がりなどを理由に、パン製品15品目の価格を7月1日出荷分から上げると発表した。食パンは3〜6%、菓子パンは2〜6%値上げする方針だ。
既に4月に食用油の卸価格が家庭用1キロあたり30円以上引き上げられたほか、5月にはごろもフーズのツナ缶も値上げ。食用油を原材料に使う各社のマヨネーズも7、8月に値上げされる。日用品でも大手製紙各社がスーパーなどとトイレットペーパーやティッシュペーパーの10〜15%程度の値上げを交渉しており、「次第に値上げが広がっている」(製紙大手)状況だ。
原燃料を輸入に頼る電気・ガス料金も値上げが続く。「オーケー」に来店していた主婦(48)は「給与が上がらないのに『円安、円安』と喜ぶ人たちの気持ちがわからない。値上げが続くかと思うと心配だ」と表情を曇らせる。
一方、円安・株高で景況感に明るさが出始め、先行きへの期待感から財布のヒモを緩める消費者もいる。東京都北区の主婦(29)は「外食の回数が増えた。気持ちにゆとりが出てきた」と話す。