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できごと
【関西の議論】娘は泣いた「40年以上待った母への謝罪がわずか20分か」…死後“水俣病認定”の不条理、冷たい行政
しかし、今回の最高裁判決は、女性について「手足の感覚障害のみであっても、個別具体的に水俣病と認定する余地がある」と言及。女性側の逆転敗訴となった2審判決を「明らかな法令違反があった」として、審理を差し戻した。
事実上の女性側勝訴といえる内容。蒲島知事は長女と面会した際、「最高裁判決を重く受け止めた」と話したという。
それでも基準変更せず
しかし、これで水俣病認定の問題が解決したわけではない。現状、これは豊中市の女性についての個別の判断でしかないからだ。
最高裁判決は「経験則に照らして個別の事情を総合的に検討すべきだ」などとして「52年基準」の弾力的運用を求めたが、一方で、基準そのものについては「個別具体的な判断で水俣病と認定する趣旨を明確化したもの」と意義を認め、「多くの申請者に迅速かつ適切な判断を行う限度で合理性がある」と一定程度の評価をしていた。
水俣病訴訟を受け持つ環境省の担当者は、こうした点を踏まえてか、「最高裁判決で国の基準が全面的に否定されたわけではない」と話し、今後の申請者にも52年基準を適用する方針を示している。
環境省によると、熊本県が豊中市の女性の訴訟で控訴を取り下げたことで、水俣病認定を求める行政訴訟はすべて終結した。しかし、熊本県によると、これまでに2万件を超える認定申請が行われているが、約1万1千件が棄却され、219件が認定待ちとなっている。
「熊本県は英断を下したが、認定までに時間がかかりすぎている。52年基準を画一的に適用する認定手法を改めるべきだ」。女性の代理人弁護士は語気を強めた。
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