裁判当日。カイトクレーマーとの会話
* 2007/07/12 17:59
今日は蛍との裁判でした。さて、読者の方はいったい何の裁判だったのかと気になってるかもしれません。
静と蛍のことで一端をご存知の方もいるかもしれません。でもあれはあくまでお話。現実はこうでした。小説と違って生々しいので、読むなら覚悟してください。
蛍が2005年末に出て行きました。ここは小説どおりです。この日、紫苑は一人が人生の転機を迎えている横で何も知らずに過ごしています。このシーンは皮肉を込めて書きました。
さて、現実に話を戻しましょう。
意外かもしれませんが、実は私は年始には蛍に離婚してくれというハガキを出しています。蛍から連絡がある前です。ところがこれはスルーされました。
そして、すぐに蛍が私を訴えました。私は訴状が馬鹿馬鹿しいので放置しました。
私が蛍に要求したのは以下のことでした。
1:離婚すること(これは双方合意)
2:子供の遺伝子を鑑定すること(実はこの話は恋愛中からしていた。蛍は応じていたのに別居後急に応じなくなった。だからけじめとしてやりとおした)
3:その上で慰謝料も養育費も払わないこと(慰謝料は逃げられたダメージおよび迷惑と相殺だし、養育費は見もしない子のために払うほどお人よしではない。また、今ではもはや養育費の対象がそもそも別の子にある)
4:婚姻中のこちらの不貞を不問にすること(念のため言っておくが、別居後別の女性と関わったことであって、同居中はない。別居してても一応婚姻中なので断ったにすぎない)
蛍ははじめ、どれにも応じませんでした。
しかし向こうも離婚の意思はありました。ただ、こちらの求める条件と異なったので従わなかったようです。
やがて1は順調に進みました。先方の弁護士が進めました。私は無駄金をあの女に叩きたくなかったので自分で裁判所と弁護士を相手取り、こちらの要求を通しました。
冬と春をかけて3と4について勝ち取った上で離婚をしました。向こうは弁護士まで雇ったのに、いいように俺個人にやり込められたわけです。非常に愉快でした。
思えば一人でよくやったものです。弁護士や裁判所や警察まで味方につけた蛍に対し、俺は俺。よく言い分を通したものだ。そりゃアクロバットなことを色々やりましたがね。
残ったのは2です。これが蛍の応じないこと応じないこと。なんだ浮気でもしてたのか、でもそんな気配はないしなぁと思いつつも、猜疑心の強い俺は調べないと気がすまない。かといって蛍は一切応じない。
しょうがないのでこちらが今回は原告となって蛍を訴えた。それがこの裁判です。
私がやりたいのはDNA鑑定。結果はどうでもいい。どうせ俺の子だとは分かっているから。とにかく俺の思い通りに事を進め、確証と安心を得たいだけだ。
かといってどうすればDNA鑑定してくれるか。そこで嫡出否認の訴えを出しました。これは「勇太は俺の子じゃない」と訴えることです。そんなこと思ってなくてもそう思ってる振りをする裁判です。
というわけで勇太が息子でないとして訴えました。嫡出否認の裁判は勇太が俺の子か否かで勝敗がつきます。ところがこれは俺には問題ではない。だってその過程にあるDNA鑑定が本来の目的なのだから。だから裁判さえすれば後はどうでもいいと回りに言ってたのですよ。
さて、2007年7月12日、午後3時。川越地方裁判所にてDNA鑑定をしました。ここからは皆さん未知の世界でしょうから、貴重な記録として記しておきます。
てゆうか嫡出否認のDNA鑑定の現場なんてぐぐってもここしか出てこない気がします。
弁護士と落ち合い、部屋に入ると、2名の女性がいました。DNA鑑定会社です。1人が説明をします。
検体を採取し、アメリカで鑑定をするそうです。後から男性が一人入ってきました。判事です。
まずは身分証明をしました。免許です。免許はコピーを取られました。すぐに判事は去りました。
書類に署名をさせられました。上半分は英語で鑑定の説明が書いてあり、その下には和訳がありました。私が英語を読んでいると女性は英語はいいのよとばかりに日本語の方を説明してきました。おいおい、俺は英語で食ってるんだからこれ読めるんだって……(-_-;
下に署名をしました。書名欄の下に拇印欄がありますが、押印は後です。
裏面の上部に氏名、生年月日、性別、人種、住所欄があり、書きました。そういえばこれは青い紙でした。
人種はAsianをチェックしました。
alleged fatherという項に既に印がついていました。
中段以下は書かなくてよいようです。下の方に協力者の欄があり、丸が囲ってあり、親子3人になっていました。つまり蛍と勇太も同じことをしたようです。
で、検体を採取しました。長い綿棒を女性が口に入れます。下の前歯と唇の裏側の間に突っ込んで左右に動かします。計4本です。
前に食べていたガムのせいで口が渇いてるとかで、2周しました。
それを袋にいれ、封をしました。封印には拇印をしました。黒いインクテープに指を当てて行うというものです。
綿棒の袋に2点、先の青い紙に1点です。計3点。
結構口の中をぐりぐりされるので不快です。痛いとかはもちろんないですが。
それで、大人はともかくとして、子供は泣くかもなぁと思い、「勇太は泣きましたか」と聞きました。
すると「いえ、大丈夫でしたよ」と答えてくれました。私は呟くように「それは良かった」と答えました。
写真を撮りました。ポラロイドです。本人確認の一環だそうです。
女性が「あの、アジア人にチェックしたんですが、ハーフか何かですか」と聞いてきました。厳重ですね。リディアらが検査した場合、どこにチェックを付ければいいんでしょうね。Europeansとかいう項があるのかなぁ。
家計図を語ったら、両親が外国人でなければ大丈夫ですと引き下がってくれました。
また、先方が資料を出してきてどう鑑定するか、結果はどのように表われるかを説明しました。
なるほど、これはしっかりした検査ですね。さすが国。遅いけどまぁしっかりはしているな。
弁護士は2Fに傘を置いたというので俺は先に降りました。俺が出て10秒もしないうちに傘を持って歩いて入口から出て行きました。挨拶しようと思ったが、いましたばかりなのでまぁいいかと思って去りました。
これで終わりです。淡々と終わりました。
で、静のRX-8で帰宅し、これを書いています。
フゥシカのお母さんに道で会っちゃったよ……orz 平日に何してるのかしらと思われたーよ(T_T) スーツ着てても木曜は言い訳できない。うう……。
結果は2,3週間で出るようですが、私としてはもう要求が満たされています。ただ、結果そのものはそりゃ早く知りたいですけどね。
弁護士と蛍と(そういえば蛍の弁護士とは言ってなかったな。今回は負けを悟って雇わなかったのか?)裁判所にこの業者が送るそうです。私は弁護士を通して知ることになります。夏休み前には分かるわけだな。
それにしても30分くらいですべてが終わりました。うーん、なんでこんなもののために有給を取らなきゃいけないんだろう。給料は出るから生活に支障はないが、業務に支障が出て嫌なんだよな。
でも裁判を除けば休みは休みなので、午前は水泳に行ってリフレッシュしました。
サイクリングにも行きました。森の中で霧雨に打たれたのが凄く気持ちよかった。
昼に寿司を食って裁判という流れでした。ちゃっかりエンジョイしてました、有休。上司様、すみません……。
ともあれ、これで俺の出した要求はすべて通りました。8月に結果が出るから、05年12月から計算して1年9ヵ月か。
おぉ、面白いな。結婚したのが04年の3月。出てったのが05年の12月。つまり1年9ヵ月。同じやん。
結婚と離婚、同じじゃん。わー、なんて馬鹿馬鹿しいんだろう、結婚て。
しかし蛍は馬鹿だ。ひたすら逃げた人間の末路がこれだ。
俺は逃げなかった。相手が警察だろうが裁判所だろうが突っ込んでいった。周りの人間にもアシェットにも会社にさえもオープンだった。
逃げずに戦った。相手が大きくても。それで勝ち取った。自分の要求をすべて通した。俺の勝ちだ。
それにしても俺はどうしてここまで冷たくなったかな。かつては人を好きになったり愛したりできた人間なんだけどなぁ。蛍がすべてを変えた。あれで人を思いやることが完全にできなくなった。それでこういう人間が形成されきったわけだ。
すべて要求を通した結果、俺の気持ちを俺に聞いてみた。
「どうですか、俺」
「うーん、不快だ。蛍の一件というだけでもはや不快なのだ。どうでもいいから会社に戻してくれよと思ってしまう」
「蛍を見返すために努力したのに、もう蛍が薄れてますね」
「なにせ結婚期間だけ時間が過ぎているからな。もはや俺にとっては終わったことだ。そして勝利の形で終わった。大事だったアルカも投げてしまって、アルティス教徒でもないし、アルカの研究さえしていない。あれだけ蛍と2人で宝物のようにしていて捧げてきたのに、最近趣味の地位さえ失ってきている」
「蛍が聞いたら悔しがりそうですね」
「哀れなものだ。同じアウシュビッツでもヒトラーの時代は危ないが今では観光名所でしかない。同じものでも時代によってまるで異なる。アルカも昔は法律みたいなものだったが、今では何でもない趣味でしかない。蛍と俺がかつて神聖視していたものは玩具以下になりさがった。そして今後は日本での活動は消え、俺自身の活動も消え、アシェットが引き継ぐだろう。メーカーからユーザーへ、だ。そして俺はアルカなど、蛍などなかったかのように、サラリーマンとして自分の好きな仕事をし、子供のことも忘れて第二の人生を歩むのだろう」
「それは蛍への復讐ですか」
「そうだ、ネットの人間が教えてくれた。蛍は俺を怨んでいる。金もないし裏切られたし孕まされて間接的に追い出された。そんな元凶の俺が、蛍のことなどすっかり忘れて自由気ままに暮らしていたら、化け猫にでもなって出てきたいそうだ。俺はそう読んで、蛍なら確かにそう思いそうだと思った。そして、蛍が嫌がることならぜひしようと考えた。だから俺はほかの女を作って子供まで産ませた。そちらの子供に愛情と金を注ぐことで蛍に「自分はなんて惨めなんだろう」と思わせることが目的だ」
「どうしてそこまでするんですか」
「俺は持って生まれて概ね何の能力も高く、挫折をしたことがない。そのためプライドがテラ高く育った。女を棄てても棄てられるということはなかった。それを蛍が初めて裏切った。女に拒絶されたのなんて近所の小学生の女の子がマセてきて俺を避けるようになったときだけだ」
「それは数に入らないと思いますが……」
「じゃあ蛍だけだ。俺を馬鹿にした奴は許さない」
「人生、誰かしらには馬鹿にされるものですが」
「相手次第だ。その辺の知らん奴はどうでもいい。蛍だから許せん。俺にも欠陥がある。一番は心だ。というか心くらいだ。自律神経が子供のころから弱く、不安になったりイライラすることが多く、程度も酷い。さらに蛍は闘病時の俺を放置して出て行った。この恨み、忘れるものか」
「すべて要求を飲ませたのに怨んでるんですね」
「当たり前だ。本来ならあいつを殺さねば気が治まらん。だがもはや紫亞のために我慢している」
「じゃあ紫亞ちゃんに何かあったら……」
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