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【大相撲】

稀勢 白鴎と全勝対決! 自分を信じてやる!

2013年5月25日 紙面から

稀勢の里(左)が寄り切りで鶴竜を破る=両国国技館で(岩本旭人撮影)

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◇夏場所<13日目>

(24日・両国国技館)

 横綱白鵬(28)=宮城野、大関稀勢の里(26)=鳴戸=が互いに譲らず13連勝。優勝争いは両者に絞られ、14日目に全勝同士で対決する。白鵬は大関琴奨菊を下手出し投げで転がし、稀勢の里は大関鶴竜を一方的に寄り切った。鶴竜は3敗目を喫して優勝戦線から脱落した。琴奨菊は4敗。横綱日馬富士は大関琴欧洲を押し倒して10勝目。かど番の琴欧洲は7勝6敗となった。関脇豪栄道は7敗目と後がなくなり、小結栃煌山は負け越した。

 平日にもかかわらず、満員御礼の垂れ幕が下がった館内。稀勢の里の快進撃を待ちわびる大歓声の中、鶴竜を6秒ほどで料理。連勝を13に積み上げた。瞬時に相手の右脇に得意の左をこじ入れ、体を密着させると琴奨菊ばりのがぶり寄りで一気に前へ。北の湖理事長(元横綱)が「肩の使い方がうまい。あれでは残せない」と絶賛する盤石の寄りで難なく退けた。

 「何より思い切って前へ出ようと。あそこまでいったら勝負にいくしかないでしょ」。会心の一番にも稀勢の里は表情ひとつ崩さず淡々と振り返った。

 場所が佳境を迎えようとしても自信は揺るがない。迷いがないから緊張がピークに達しても取り口にスキがない。出稽古解禁など、さまざまな工夫を施し臨んだ今場所。「場所前だけじゃない。ここまで入門からずっとやってきたんだから」。角界屈指の稽古量で知られる鳴戸部屋。師匠の鳴戸親方(元前頭隆の鶴)も「毎場所、厳しい稽古をやってきた。その裏付けがある。一番いいのは体を生かし馬力を相手に伝える力ができたこと」と話す。

 稽古場には2つの丸い石がある。稀勢の里が知人の石材店に頼んだ特注品で重さは75キロと50キロ。これを抱えて何度も持ち上げる。「持ち手がないから腰を下ろして体全体を使わないと持てない。肩に力が入ると重さを感じてしまう。いい位置で持てば重さを感じないんです」。強じんな下半身のゆえんは、こんなところにもある。

 初優勝をかけ、いよいよ14日目は過去8勝30敗の難敵、横綱白鵬。もちろん全勝対決。「考え過ぎずにやるだけ。自分を信じてやる。あした一日をしっかりやって千秋楽までいけたらいい」。思い起こせば先代の鳴戸親方(元横綱隆の里)の初優勝は31年前、全勝だった。果たして歴史は繰り返すのだろうか。(竹尾和久)

 

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