横浜市が「保育所に入れない待機児童をゼロにする」目標を達成した。林文子市長の指導力で企業の参入を強力に促す「横浜方式」が奏功したからだ。企業が運営する保育所は2010年4月時点の2倍以上に増え、横浜市内全体の4分の1を占める。待機児童を減らすには、他の自治体でも首長が指導力を発揮し企業の力を活用できるかが鍵を握る。
「企業に足しげく営業に来るのは横浜市の職員くらい。市長が待機児童ゼロの目標を掲げて職員の目の色が変わった」。保育所運営大手のポピンズ(東京・渋谷)の担当者は横浜市の姿勢をこう分析する。市長の強力な指導で、株式会社の参入が急速に増えた。
09年に初当選した林市長は、待機児童対策費を09年度の約72億円から12年度には約157億円にまで増やした。保育所新設の際の助成金などは社会福祉法人などに優先配分する場合が多いが「企業だから質が落ちるわけではない」と企業にも同等に配分した。
10年4月の横浜市の待機児童数は全国の市町村で最悪の1552人だった。だがわずか3年で受け入れ枠は1万人以上増え、待機児童数はゼロになった。菅義偉官房長官は20日、「横浜の取り組みを参考にして全国展開したい」と述べた。
ただ横浜以外では、企業の参入に及び腰の自治体が少なくない。経営悪化による撤退のリスクなどがあるからだ。
名古屋市は12年、設置認可の要綱を改正したが、制限なしの企業の参入については反対の声もあり、参入資格を事実上、社会福祉法人などに限った。同市の待機児童数は昨年4月の1032人からは減ったものの、今年4月時点でなお299人(暫定値)が残る。
未就学児人口が予想以上に増え、対応が追いつかない自治体もある。日本経済新聞社が20日、東京都の自治体に実施した調査では、回答自治体の待機児童数は前年比3割以上増えた。東京では都心回帰で人口増が続く上に「リーマン・ショックで経済状況が変わり、保育所を利用したい夫婦共働きが増えた」(世田谷区保育課)ためだ。
林文子、菅義偉、横浜方式、ポピンズ、保育所、日本経済新聞社
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