日本の政治家がまた「暴言」を口にした。
日本維新の会の平沼赳夫代表代行が「『従軍慰安婦』と言われている人たちは『戦地売春婦』だと思っている」と述べた。共同代表の橋下徹大阪市長が強制連行を否定した発言に関して「間違いはない。セックススレーブ(性奴隷)があったなんてことはない」と擁護した。
私たちは、韓国人「元従軍慰安婦」の金福童(キムボクトン)さん(87)が先日、沖縄で訴えた次の言葉を重く受け止める。
「血のにじむ経験をした私が(強制連行の事実を)証言している。これ以上の証拠がどこにあるのか。私はここにいる」
14歳の年、脅迫されバスに乗せられた。「軍服をつくる工場で働く。嫁にいく年になれば帰してやるから」と誘われたが、実際に送られたのは戦地だった。
金さんの証言から、強制的に連れ出され、自由に辞めることを許されず、ひたすら兵士の性の相手をさせられたことは明白だ。奴隷のような状態に置かれ「血の涙を流した少女」だ。
金さんらを「戦地売春婦」と表現することは「従軍慰安婦」の存在を隠蔽(いんぺい)し、歴史をねじ曲げることにつながり、容認できない。
女性を侮辱する言葉の暴力であり、国際社会では通用しない。人権感覚の欠如によって、再び関係者を傷つけた。平沼氏は発言を撤回して謝罪すべきだ。
安倍晋三首相の「侵略の定義は定まっていない」発言、橋下氏の「(「従軍慰安婦」は)当時は必要だった」発言、そして今回の平沼発言。なぜこうも日本の保守政治家の歴史観が偏るのか。東京大の高橋哲哉教授(哲学)は「国内では威勢がよくても、その発言で逆に彼らが大切にする国益を損ねている」(22日付東京新聞)と指摘している。
国連も動き始めた。社会権規約委員会は4月に対日審査を行い、「元慰安婦」の人権が守られていないと指摘。拷問禁止委員会も対日審査中で、近く橋下発言に関して日本政府に厳しい勧告を出すとみられている。
「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」。政治家による一連の「暴言」が、憲法前文の理念に反していることを肝に銘じるべきだ。
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