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PM2・5数値、近くなのに大差 荒尾と大牟田 2013年05月24日

PM2・5数値、近くなのに大差 荒尾と大牟田の写真、図解
荒尾市役所の敷地内にあるPM2・5の測定局(上)と大牟田市役所屋上の測定局
PM2・5数値、近くなのに大差 荒尾と大牟田の写真、図解
 微小粒子状物質「PM2・5」の大気中濃度が高い状態で推移する県内。中でも目立つのが荒尾市で、22日は1時間値が4回、100マイクログラム(1立方メートル当たり)を超えた。一方、大牟田市は最も高くて70マイクログラム台。隣接地でなぜこうも測定値が異なるのか。測定機器の設置環境の違いも考えられ、荒尾市は設置者の県に設置場所の検証を求めている。

 荒尾市にあるPM2・5の測定局は、県が市役所の庁舎横に設置し、昨年4月から運用を始めた。一方、大牟田市には測定局が2カ所。環境省が市役所屋上に2009年3月に設置したものと、もう一つは市役所から約1キロ西側の新地町の市営住宅屋上に、市が昨年10月に整備した。

 測定結果をみると、22日午前7時、荒尾市では120マイクログラムと高い数値を示したが、大牟田市の2カ所は市役所が66マイクログラム、新地町が71マイクログラム。また、荒尾市で97マイクログラムを観測した23日午前6時、大牟田市ではそれぞれ42マイクログラム、57マイクログラムだった。

 荒尾市役所と大牟田市役所との距離は直線でわずか約5キロ。有明海に近く、平地に立地するなど地理的条件も変わらない。両市で測定機種は異なるが、測定誤差は少ないとみられる。荒尾市職員からは「荒尾市だけがPM2・5の値が高いのは、設置場所も一因ではないか」と疑問の声も上がっている。

 荒尾市役所の測定局は地上に設置され、庁舎の壁に近い。一方、大牟田市の測定局はいずれも屋上に設置されているため、周りに大気の流れを遮る大きな障害物はない。

 国の設置基準では、測定局は建造物から1メートル以上離すことになっている。荒尾市の場合は最も近い所で約3・5メートルで、基準はクリアしている。県環境保全課は「荒尾市の数値が高いのは、建造物との近さが影響しているとは考えていない」との立場。

 熊本大大学院自然科学研究科の小島知子准教授(大気環境学)は「測定局と建造物の近さがどれくらい影響しているかは分からないが、壁などにさえぎられ、風向きによって数値が変動する可能性がある。近くに建物がないのが理想」と話している。
(中原功一朗、横山千尋)


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