橋下大阪市長:6月訪米に慎重論 慰安婦発言で
毎日新聞 2013年05月23日 23時43分(最終更新 05月23日 23時56分)
旧日本軍の従軍慰安婦などを巡る発言で、橋下徹大阪市長が6月に予定している米国視察に慎重な対応を求める声が強まっている。訪問先のサンフランシスコ市幹部が「性奴隷は決して必要ではない」と地元紙に寄稿するなど批判が広がり、自民市議団は23日、「有益な視察が可能な状況ではない」と文書で中止を申し入れた。橋下市長も同日の定例記者会見で、「しっかり情報収集して判断しないと、大変なことになってしまう」と話し、状況を見守る意向を示した。来週中にも最終判断する方針だ。
橋下市長は6月10日から6日間、松井一郎大阪府知事らと訪米し、サンフランシスコ市長やニューヨーク市長と面会する意向だ。IT企業が集まるシリコンバレーで約10社を視察する予定だが、23日時点で訪問予定が決まった企業はゼロ。市の担当者は「様子見をしているのだろうか」と気をもむ。
橋下市長は21日、「視察は都市の雰囲気をつかむのが第一。道路や広場、公園の状況、街並みを感じてくる。アポイントメント(面会予約)がなくても行こうと思っている」と述べたが、松井知事は「何の予定もなく行くとすれば、公務にならない。単なる観光で行くことはない」と慎重だ。橋下市長もその後、「時期が適切でないとの指摘は真摯(しんし)に受け止める」「視察が成り立つ状況かどうか情報収集する」などと揺れている。
一連の発言を巡り、橋下氏は27日に日本外国特派員協会(東京都千代田区)で記者会見し、その際の反響などを基に最終判断する。【村上尊一】